特殊部隊仕込みの尋問を行使しましたが、
ミディには効果はなく、逆効果のようです…。
028:
キミはミディに肩を竦めて見せた。
「今死んで貰う訳にはいかないんだよな…」
「やって…くれるの?」
「仕方ないだろう」
硬直していたミディの体からスッと力が抜けた。ソファに凭れた体が
ズルズルと床に滑り落ちようとするのを、キミが支えた。
その時、ドアがノックされる音がした。キミの手がテーブルに置いて
いた22口径に伸びる。
「ホーソン様、同盟軍が3キロの所迄…」
「判ってるわ」
ソファに凭れたまま、ミディが声を絞り出した。
「書類の処分は済んでいます。ご苦労様」
ドアの外の足音が遠離って行く。立ち上がろうとしたミディは傷が痛
むのか、顔を顰めて再びソファに腰を落とした。
「包帯くらい巻いといた方が良い」
「そうね…そこのロッカーの中にファーストエイドキットがあるわ」
「オレがやるのか?」
滅菌シートを貼りつけて包帯を巻き、痛み止めを飲ませるとミディは
何とか立てるようになった。
数分後、キミとミディはホテルを出た。同盟軍の重砲がひっきりなし
に落下し、激しい爆発音が硝煙の立ち込めた空気を震わせている。
ミディはウラジミールの丘を登って行った。遊歩道を外れて森に入る
と、そこにトレーラーに乗った2機のモビルスーツとド・ダイ改に似
た支援機が駐機してあった。ネットやカンバスで念入りに上空からカ
モフラージュしてある。
─ダッジって言ったな…
エゥーゴのド・ダイ改や連邦のベースジャバーがモビルスーツのパイ
ロットによって遠隔操作される無人機であるのに対し、ネオジオンの
開発したダッジは有人機である。モビルスーツに長距離侵攻能力を付
与すると同時に、その火力支援も可能とすべく、胴体下面の4箇所に
ウェポンステーションが装備されている点も他の2タイプとは違う。
ここには用途に応じてビームランチャーの他、大型のボマーラックや
ガトリングガンなどが取りつけられる。
ミディを認めたメカマンが走り寄って来て敬礼した。
ミディはキミを巨大な冷蔵庫のようなフィールドワゴンの中に押し込
んだ。この車両は野戦におけるモビルスーツパイロットたちのノーマ
ルスーツルームであり、待機所でもある。
「1人で逃げるのか?味方を棄てて」
「死ぬ迄つき合う程の義理はないわ」
─何か企んでるな…
「ノールカップに私を待っている人がいるの。同盟の目を盗んでそこ
迄行くには、アナタの手を借りなければならない」
確かスカンジナビア半島、ノルウェーの最北端にある町だ。
「オレが先に上がるからダッジに乗って待ってろ。上空を掃除したら
増援が来る前にオレを乗せて戦闘圏外に脱出する」
「どうして?私もモビルスーツに乗るわ。1機より2機の方が」
「その脚じゃ返って足手まといだ…」
ヘルメットを抱えたキミは、ワゴンを飛び出す。
キミはトレーラーの上のモビルスーツを見上げた。1機はドライセン、
もう1機は何とゲルググである。改造はしてあるのだろうが、一年戦
争中の設計というシロモノだ。
「ゲルググはビームライフルがありますが、規格が古いもので、ドラ
イセンは持てません」
片方はロートル機、片方は長射程の火器が準備されていない。
・ゲルググに乗る:021
・ドライセンに乗る:191
どちらにするか選択になったとこで、次回に続きます。
ミディには効果はなく、逆効果のようです…。
028:
キミはミディに肩を竦めて見せた。
「今死んで貰う訳にはいかないんだよな…」
「やって…くれるの?」
「仕方ないだろう」
硬直していたミディの体からスッと力が抜けた。ソファに凭れた体が
ズルズルと床に滑り落ちようとするのを、キミが支えた。
その時、ドアがノックされる音がした。キミの手がテーブルに置いて
いた22口径に伸びる。
「ホーソン様、同盟軍が3キロの所迄…」
「判ってるわ」
ソファに凭れたまま、ミディが声を絞り出した。
「書類の処分は済んでいます。ご苦労様」
ドアの外の足音が遠離って行く。立ち上がろうとしたミディは傷が痛
むのか、顔を顰めて再びソファに腰を落とした。
「包帯くらい巻いといた方が良い」
「そうね…そこのロッカーの中にファーストエイドキットがあるわ」
「オレがやるのか?」
滅菌シートを貼りつけて包帯を巻き、痛み止めを飲ませるとミディは
何とか立てるようになった。
数分後、キミとミディはホテルを出た。同盟軍の重砲がひっきりなし
に落下し、激しい爆発音が硝煙の立ち込めた空気を震わせている。
ミディはウラジミールの丘を登って行った。遊歩道を外れて森に入る
と、そこにトレーラーに乗った2機のモビルスーツとド・ダイ改に似
た支援機が駐機してあった。ネットやカンバスで念入りに上空からカ
モフラージュしてある。
─ダッジって言ったな…
エゥーゴのド・ダイ改や連邦のベースジャバーがモビルスーツのパイ
ロットによって遠隔操作される無人機であるのに対し、ネオジオンの
開発したダッジは有人機である。モビルスーツに長距離侵攻能力を付
与すると同時に、その火力支援も可能とすべく、胴体下面の4箇所に
ウェポンステーションが装備されている点も他の2タイプとは違う。
ここには用途に応じてビームランチャーの他、大型のボマーラックや
ガトリングガンなどが取りつけられる。
ミディを認めたメカマンが走り寄って来て敬礼した。
ミディはキミを巨大な冷蔵庫のようなフィールドワゴンの中に押し込
んだ。この車両は野戦におけるモビルスーツパイロットたちのノーマ
ルスーツルームであり、待機所でもある。
「1人で逃げるのか?味方を棄てて」
「死ぬ迄つき合う程の義理はないわ」
─何か企んでるな…
「ノールカップに私を待っている人がいるの。同盟の目を盗んでそこ
迄行くには、アナタの手を借りなければならない」
確かスカンジナビア半島、ノルウェーの最北端にある町だ。
「オレが先に上がるからダッジに乗って待ってろ。上空を掃除したら
増援が来る前にオレを乗せて戦闘圏外に脱出する」
「どうして?私もモビルスーツに乗るわ。1機より2機の方が」
「その脚じゃ返って足手まといだ…」
ヘルメットを抱えたキミは、ワゴンを飛び出す。
キミはトレーラーの上のモビルスーツを見上げた。1機はドライセン、
もう1機は何とゲルググである。改造はしてあるのだろうが、一年戦
争中の設計というシロモノだ。
「ゲルググはビームライフルがありますが、規格が古いもので、ドラ
イセンは持てません」
片方はロートル機、片方は長射程の火器が準備されていない。
・ゲルググに乗る:021
・ドライセンに乗る:191
どちらにするか選択になったとこで、次回に続きます。