コキュートスの記憶

日々の出来事とか戦果(買い物)とか。
主にガンダムを中心にしています。

シャアの帰還 part11

2015年03月10日 | ゲームブック
184:
 アボリジニーの予想通り、シャトルはアウドムラの中央格納庫に在っ
た。打ち上げ設備にも異常はない。
 アウドムラを発進させたのは、エグムのメンバーたちだった。後部貨
物室に乱入した直後、彼らは統制された見事な動きで瞬く間にコクピッ
トを制圧していたのだ。
「一応、貨物室にはMSを積み込ませて貰います。グラナダの活動家た
ちに届けてやりたいもので…」
「判っている。キミたちの働きからすれば、そんなことはお安い御用だ」
 わたしはすまなそうに言うアボリジニーの肩を叩き、ノーマルスーツ
に着替えに行こうとした。
「あ、クワトロ大佐。将軍との連絡が取れました」
「本当か?」
「はい。やはり、サイド3の空域に潜伏していました。イン・エクセス
というグワダンタイプの戦艦を根城としているらしいのです」
「結構だ。至急、レーザー通信を送っておいてくれたまえ」

157:
 先程、後部に固定されていたリックディアス、ギャプラン、リゲルグ
がシャトルに搬入されて行くのを見ながら、ノーマルスーツ着用を完了
したわたしは、コクピットに向かおうとした。
 そのわたしの腕を、ソッと引っ張る者がいる。ユカであった。
「いよいよ、お別れですね…」
 彼女は、わたしの目を正面から見据えた。
「そうだな。しかし、生きていればまた何処かで会うこともあるだろう」
「いえ…多分、わたしはそう長く生きられないと思います」
「縁起でもないことを言うな。どうしてそんなことが?」
「判りません。何となくそんな気がするのです」
「そうか…ならば、わたしがそのプレッシャーを幾分なりと弱めてあげ
よう」
 わたしは彼女の顎に人差し指を当て、上を向かせた。彼女はゆっくり
と目を閉じる。わたしたちはソッと唇を重ねた。

170:
「厭なプレッシャーを感じる…」
 不意に唇を離し、ユカは呟いた。それは同時にわたしの中にも感じら
れた。
※この時、シャアは異形のMSの影を観ております。
「わたしのまじないは効き目がなかったのかな?」
「いえ…そんなんじゃないんです。もっと、こう…近親憎悪と言うか…
わたしに近い者の憎しみの念を感じるのです」
「ほう…ユカには妹でもいるのか?」
「2人います…否、いたと言った方が良いでしょうか。直ぐ下の妹のユ
マは、グリプス戦役の混乱で生き別れてしまいました。何処にいるのか、
消息は判りません。末の妹のユイは、一年戦争の時に…両親と共に死に
ました」
 そして、彼女は一葉の写真を取り出した。相当古いモノらしく、セピ
ア色に色褪せている。3人の子供が写っていた。
「子供の頃のわたしたちです。差し上げます」
「何故、これをわたしに?」
「だって…アナタはわたしが初めて愛した男性だから」
 彼女はそう言い残し、わたしの許を離れて行った。

328:
「妙だな…あれ程、生の感情を表に出す娘ではないのだが」
 わたしは独り言ちた。だが、悲しそうなユカの瞳が変に引っかかる。
昨夜もそうだった。ベッドの中ですら、彼女はそんな瞳をしていた…。
 奇妙な気分でアウドムラのコクピットへ上がると、アボリジニーの半
分冷やかすような視線が突き刺さった。
「見ましたぞ。お安くないですな、アナタも」
 彼の低い笑い声が耳障りに響く。わたしは苦笑した。
「言うな。わたしとて男にあることは変わりはないのだよ」
「ほう。アナタはまだ独身で?」
「うむ。だが、当分は身を固める気はない」
 その時、ブリッジオペレーターの鋭い声が飛んだ。
「10時の方向!MSらしき機影在り!!」
「何!?」
 慌ててアボリジニーが窓に走る。
「何だあれは!?見たこともない機影だぞ!!MAか!?」
 わたしは厭な予感が的中したことを悟った。
・MSデッキに走り、MSで出撃する:368
・アウドムラの対空機銃で迎撃を試みる:292

368:
 反射的に、わたしは搬入途中のMSを出そうと考え、ブリッジを出よ
うとした。が、アボリジニーは、わたしの考えていることを見破ったら
しい。後ろからグッと肩を掴まれた。
「クワトロさん。アナタは宇宙へ上がらねばならない。ここは我々に任
せ、シャトルへ乗り込んでください」
「しかし…わたしだけが安穏としているのは気が進まん」
・それでもMSデッキへ行く:277
・MSを出すのは諦める:292

292はダメージを受けるので出撃を選んで次回に続きます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする