□風魔の小次郎外伝 飛鳥無明帖
淵源の章〈前の巻〉【忍狩り】
淵源の章〈前の巻〉【忍狩り】
飛鳥武蔵は、傭兵として、戸隠のジゲンを飛龍覇皇剣で討ち取ります。
戸隠のジゲンの今際の際の誰何に対し、飛鳥武蔵は、忍狩りと答えます。
時は遡りまして。
幼い飛鳥武蔵は、病気の絵里奈を抱え、病院へと急いでいます。
運悪く、忍たちの戦闘の直中に遭遇してしまいます。
龍鬼と呼ばれる忍は、多数の忍に囲まれ、命を狙われますが、
鎖分銅を巧みに操り、それら忍たちを次々に倒していきます。
窮地に陥った忍たちは、幼い武蔵たちを人質に取り、降伏を迫ります。
が、意に介さない龍鬼を見て取ると、忍は、武蔵に苦無を向けます。
瞬間、武蔵の睨みが忍の動きを止め、龍鬼は、その隙を衝きます。
龍鬼は、巻き添えになったことを詫び、忍であることを明かします。
そして、武蔵が忍を金縛りにしたのではないかと不思議に思います。
武蔵は、龍鬼に出自を聞かれ、横暴な孤児院を抜けて来たと答えます。
龍鬼は、絵里奈が重い病に罹っていることを看破し、武蔵に告げると、
武蔵は、自分の命と引き換えに絵里奈の命を助けてくれと答えます。
龍鬼は、数年分の入院費を前払いし、絵里奈を病院に預けると、
武蔵と共に、某所にある飛龍岳に向かいます。
龍鬼と武蔵は、夥しい屍が転がる道を抜け、忍の養成所に着きます。
一人前の忍狩りになるか、屍しか出ることが叶わないと語ります。
龍鬼は、大昔から続く闇の殺し屋で、闇から襲って来る忍を、
逆に闇へと葬り去るのが忍狩りだと説明します。
武蔵は、自分と似た境遇の候補生と共に厳しい修行を行います。
その中で、トビという候補生と親しくなります。
修行では、枝に吊された五円玉の孔を素早く突くことなどもあり、
これが武蔵の後の必殺剣、飛龍覇皇剣のベースになったようです。
歳月が過ぎ、武蔵とトビは、養成所でも一二を争う存在となります。
トビは、武蔵に、お前はもっと強くなれる。武蔵、強くなれ。
お前だけでも強くなり、生き残るのだと語り、姿を消すことになります。
武蔵は、掟を破り、飛龍岳を去ったトビを追えと、龍鬼に命じられます。
武蔵は、逡巡しながらも、逃亡したトビの後を追うことになります。
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