ガンダムバンディエラ 第25話

□機動戦士ガンダム バンディエラ
　第25話

上官のマーレ大尉と共に、サイド6に左遷されたシモンは、
次の仕事までの時間を街をブラ付いて過ごします。

※前回、中佐と書きましたが、大尉でした。
テレビからは、有識者が戦争の行く末を語る番組が流れています。
シモンは、その様子を他人事みたいな雰囲気だなと独り言ちますが、
左遷同然で、戦場に出られない自分も似たようなものだと感じます。
先日、テム博士の部屋で見た「ガンダム」に乗れていたら、
あの戦いで負け、こんな所にいることはなかっただろうとも……。

そんな街中をブラつくシモンに、子供たちが駆け寄って来ます。
サッカークラブに入っている彼らは、シモンにファンだと告げます。
そして、良かったら自分たちの練習を見てくれないかと話し、
シモンは、彼らの申し出を快諾し、彼らの練習に加わります。

一息つくと、緊急の呼び出しが入り、シモンは、広場を後にします。
駆け付けると、上官のマーレ大尉が暴漢を手酷く痛め付けていました。
シモンは、やり過ぎだと彼女を制止しますが、左遷の原因は、
シモンが役に立たなかったからだと、彼女は叱咤します。
その様子を先程の子供たちが見付け、心配そうに見ていました。
マーレ大尉は、甘い考えがあるなら、そっち側に戻ればと言い残します。

ややあって。
シモンは、テム博士の家に出向きます。
資料を取ってくれと言われたシモンは、アムロの写真を見付けます。
テム博士に訊ねると、息子だと言い、ガンダムのパイロットだとも。
シモンは、こんな子供が……？と驚きます。
テム博士は、疲労の所為か、椅子から転げ落ちてしまいます。
シモンは、気遣うのですが、テム博士は、ガンダムがさらに進化する。
そうすれば、この戦争は終わる。私には、これしかできない、と。
この時代に決して、この手を止めてはならないのだとも。
テム博士は、技術屋としての矜持を語ります。
そして、窓から見えるコロニーの市街の灯りを見ながら、
見ろ…アムロ。星々が輝いていると独り言ち、昏倒してしまいます。
シモンは、寝落ちしたテム博士に毛布を掛け、博士の言葉を反芻します。

「決して…この手を止めてはならないのだ」