光と影の軌跡Ⅱ

つれづれなるおじさんの写真日記

フランチェスカの絵画「キリストの復活」で戦火を逃れる!

2024年06月05日 | 日記

 15世紀中頃に描かれたピエロ・デラ・フランチェスカの「キリスト復活」はイタリア・トスカーナ州サンセポルクロに在るフレスコ画です。最初に画かれたのは市庁舎の壁ですが、現在は市立博物館になって展示保管されています。

 この絵には4人の兵士が、キリストの復活を阻止するよう命じられたにもかかわらず寝込んでいる場面が画かれています。そして左から2番目、のけぞった様に寝ている兵士はフランチェスカの自画像とのことです。

 またこのフレスコ画は、レオナルドダビンチ等動きのある絵に押されて人気がなくなり、石膏で壁ごと白く塗りつぶされてしまいました。しかし19世紀に剥がれ落ちた石膏のなかから蘇り、人気を取り戻したのです。そして英国人の小説家オルダス・ハックスリーが、サンセポルクロの「キリストの復活」を「世界で最も素晴らしい絵画」と評価したのです。(下はフランチェスカのフレスコ画、シバの女王の聖木礼拝)

 第二次世界大戦末期ここサンセポルクロはドイツ軍に占領されており、英国軍が間近に迫っていました。その英国軍を指揮していたのはトニー・クラークと言う将校。彼は攻撃命令を受けてサンセポルクロを攻撃しようとしたのですが、以前読んだことのあるハックスリーの本の中に、世界最高の画「キリストの復活」がここに在ることを思い出し、砲撃を中止したのです。そのおかげでこの町は戦火を免れました。

 そして英国軍がこの町サンセポルクロに入ったときには、ドイツ軍は撤退しており、この絵は無傷で残されていました。戦後この話が有名になり多くの観光客が訪れるようになったのです。さらにこの絵はサンセポルクロ市の紋章になり、現在も使われています。

 サンセポルクロという言葉はイタリア語で「聖なる墓」を意味しており、フランチェスカはこの町のアイデンティティー(存在証明)を象徴する絵画としてこのテーマの絵を画いたと推測されています。

 また前回紹介したフランチェスカの「キリストの洗礼」をデザインしたTシャツをネットで見つけました。ツレとお揃いで購入し愛用しています。


ルネッサンスの巨匠フランチェスカが画いた不思議な雲

2024年06月03日 | 日記

 趣味でルネッサンス初期宗教画の巨匠、ピエロ・デラ・フランチェスカを調べていたとき、フランチェスカの特定の絵に不思議な形の雲?が画かれているのに気付きました。今で言うところのUFOです。

 このフレスコ画は1440年頃の作品で「キリストの洗礼」、フランチェスカの代表作と言われています。絵の右上の大きく円盤形の雲は、まさにUFOそのものですね。他の雲も円盤形に画かれています。キリストの洗礼を描いた絵画はよく見ますが、このよう雲形の物体を画いているのは、他にありません。

 キリストがヨルダン川でヨハネから洗礼を受けている川面にも、この不思議な物体が画かれています。フランチェスカは数学や幾何学に打ち込んだ最初の画家の一人。この絵も高度な数学の計算の上で描かれており、水面に写った物は当然空に存在した物です。

 なぜフンチェスカはこのような物を画いたのでしょうか?謎はつきません。下の絵は水面の部分を反転させた物、ほぼ円盤状の物体が画かれているのが分かります。

 そしてイタリア・トスカーナ地方の美しい中世都市アレッオ。この町のサン・フランチェスコ教会にはピエロ・デラ・フランチェスカの画いたフレスコ画「聖十字架伝説」が残されています。このフレスコ画は世界美術史上最も重要な絵画の一つとされていますが、この絵にも不思議な物体(雲?)が画かれています。

 上の絵と下の絵は聖十字架伝説の9番目の絵で、皇帝ヘラクリウスのエルサレム入場と聖十字架の賞揚。城壁の上の立体的な物体はまるでUFOのようです。

 極めつきは3番目の絵画、聖木の運搬です。

    

 聖木が人々の手で運搬されて行く、その後方にクッキリと3個の未確認飛行物体が画かれています。

 ピエロ・デラ・フランチェスカはイタリア中部トスカーナ州のボルゴ・サンセポルクロという町に(1412~1492年10月12日没)に生まれました。彼は生涯を殆どこの町で過ごし、作品を残しました。その数々の作品から、ボッティチェリと並ぶイタリア初期ルネッサンスを代表する画家と言われています。

 次回はフランチエスカのもう一つの代表的作品「キリストの復活」に関わる不思議な話を紹介します。(下はフランチェスカ像、1875年アンジェロ・トリニッカの作です。)