最近山ガールとか、山ボーイだとか若い世代の人達が山に興味を頂いてくれて、登山の世代交代が起きています。その若い人達はほとんどダブルストックを持っています。でも果たしてそれは本当に有効な道具なのでしょうか?そりゃ登山用品店では売りたいわけです。私は長年山を歩いてきた経験上ある種の歩き方こそが、山歩きの極意だと思っています。それは「ナンバ歩き」というやつです。昔の侍の歩き方、柔道や相撲などの武道格闘技のすり足、能役者の足の運びと言えば何となくお解りでしょうか。要するに手と足を互い違いに出して歩く普通の歩行ではなく、右手と右足、左手と左足を同時に出して歩く歩き方です(大雑把な表現ですが)。格闘技全般、たとえばボクシングだって、右手と右足を同時に出して構えますよね。スキーだって実は同じです。それは脇を締め大きな力を生む為だったり、芯の通った重心を素早く移動するためなのです。登山の一歩はこれによく似ています。次のステップにすっと重心を乗せ換え続ける行為が登山です。ところがダブルストックはその重心の感覚を曖昧にさせます。両手両足バラバラに使って何とかしている訳です。その曖昧なバランス感覚からダブルストックを取ったら・・・・・そりゃ不安定で怖いですよね。軸の感覚が身についていませんから。ちゃんとしたバランス感覚を持った人が補助的にダブルストックを使うのは問題ないと思いますが、それを身につける前にアレを持つのは賛成出来ません。ナンバ歩きは雪の歩行や、ザラザラ、ガラガラした場所、急な登降には欠かせない技術です。慣れた人は自然にやっている事なのですが、なかなか言葉では伝え切れません。また山でお目に掛かった時「ナンバ歩き」を体感しましょう。
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「登山道具考」
昨年、蝶ヶ岳~常念岳を歩いた時、ダブルストックで顔面にケガをした方を数名見かけました。バランスが悪いのでしょうね。
また、本来ストックを使わない方が安全な岩場でも使われている方が多い。補助的、上りの推進力で使うことは否定しませんが、頼り過ぎはいけません。
しっかり二本の足で歩いた上のダブルストックならば全く問題はないのだと思います。