27日大町麻倉「アンデパンダン展・一本の線から始まるストーリー」に行ってきた。
講師は誠に怪しい「小池アミイゴ先生」。
このワークショップ、アミーゴ先生は意味不明の言葉を連発しつつ参加者20名程に、先ずは画用紙に一本の横線を引かせることからはじまった。
次は、それぞれの「大切な誰かの為に花の種を蒔く」と言うお題を持って、一本の線を引かせる。
そうすっと、そこには色んな線が生まれ始めた。
上だったり、下だったり、真ん中だったり、短かったり、歪んでいたり。
種を蒔くのは、小さな庭だったり、広い畑だったり、海や地球にだったり。
そんなストーリーが生まれ始めた。
アミイゴ先生はそれぞれの作者の話を聞きながら、いい加減なタッチで一つ一つの線にそのストーリーを描いていく。
そんな話をフンフン聞きながら、「そーか、絵とはそういうものなんだ」と参加者は何となく思い始めたはずだ。
次は紙を代えて、「大町を元気にするために何処かに花の種を蒔く」というお題をもらって、それぞれがそれをより具体的に言葉にして紙に書く。
大町の・何処に・何の花の種を・蒔くのかを具体的に言葉にするのだ。
そこで、それを仕上げて行くのかと思いきや・・・・ここで画用紙をシャッフル。
他の人が書いたその言葉が今度は自分のお題になって、それを線で引くのだ。
そんでそれに色を着けるのかと思いきや、またしても作品はここでシャッフルされて、二人の手を渡ってきた絵に僕らは勝手な色を着ける事になったのだ。
絵の具なんて何十年ぶりかで絞り出して、いったいドンだけ絞り出したらいいかも解らない状態の僕。水だってドンだけ加えれば良い感じになるのかもわからない。
久しぶりに嗅ぐ水彩絵の具の匂い、ワクワクとドキドキしながら、でっかい筆で僕は青をいい加減に塗った。
それは木崎湖で、森と、湖を縁取る青い花。
どうして良いのかさっぱりだったが、取り敢えず塗っていく。
そこへアミイゴ先生
「いいね、いいね、この辺、いいね」なんて言いやがる。
「はあ?」
そうか・・・・・・良いのかぁ?・・・・・・・?????。
右上に残った白紙の領域をさて塗るべきか、塗らぬべきか、真剣に訳のわからない直感的思索をアミイゴ先生と張り巡らす。
どっちでも良かったが、僕は薄く滲む様に青を塗った。
廻りの、皆さん、夢中で色を塗っている。技巧的な人、勢いの人、丁寧な人、僕みたいにいい加減で彷徨っている人。
「何でもありだ!」とアミイゴ先生。
そんなこんなして作品達は次々と出来上がった。
みんなが塗り終えた作品を並べて鑑賞しようかと言う時、僕は突然腹が痛くなってしまった。
僕がトイレから戻ってみればアミイゴ先生がその中から4点を選び出していたのだが、なんとその中には僕のあまりにもいい加減な一枚が選び出されて居るではないか。
またしても「はあ?」となってしまった。
「意味わかんねえし」・・・・だよ、全く。
でも、気分はまんざらでもない。
そうか、良いのか・・・・・・・・・・・????
こうして、意味不明のままこのワークショップは終了した。
だけどね、なんかね、みんなそうだったと思うんだけど、心の中にはなんか清々しい風が吹いて居たように感じたのだ。
より仲良くなった様な気がするし。「絵ってなんかおもしれーな。」と思ったのだ。
さて、「麻倉アンデパンダン展」が始まります。「絵への評価は審査員が決めるのではなく、鑑賞者が決めるものだ」という趣旨の元、参加費を払えば誰でも展示できるアンデパンダン展。型にはまって無くて、振り幅大きくて、びっくりしたり、感心したり、上手いから引きつけられる訳でもなくて・・・・・力作が揃ってます、とっても楽しい展覧会です。是非お出かけ下さい。
好みの一枚がきっと見つかるはず。
麻倉アンデパンダン展FB その2FB
ほーれ、何でも使え!
佇む家具的巨匠