山岳ガイド赤沼千史のブログ

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餅つき

2017年12月29日 | 安曇野の暮らし

 餅つきをした。

12月29日に餅をつくというのは「苦モチ」と言って一般的にはいけない事されている。

しかし我が家ではあまりそんな事は気にしなくて29は「福モチ」だからと勝手な理屈をつけて毎年この日に正月用の餅をついている。

餅つきといえば前日から餅米を洗い、当日は朝も早くから重たい臼と杵をゴロゴロ引っ張り出してかまどに火を入れ米を蒸す。

寒い時期だけに大変なのだが、その寒さのお陰で盛大に上がる蒸気がイベント感抜群である。

大変と言えば大変なこの行事ではあるが、我が家の身内達は餅つき器にやらせたり買ってくる訳にはいかないと頑なに思っているのだ。

とは言え、今年の僕は大けがのせいでふがいなくも弟と義兄にほとんど杵をふってもらった。

少しやってはみたものの、外野が「やめといたら〜」とか「むりすんなよ〜」の声にちょっと憤慨しつつもその優しい言葉に甘える事にした。

どこまで自分が出来るのかまだまだわからないのだ。

仕方がないのでうちわをパタパタと煽っては火の番が僕の仕事だった。

トロトロ燃える炎を囲んで四方山話しに花を咲かせて、餅米の蒸し上がるのをまつ。 

今日は冬晴れの穏やかな餅つき日和だ。

フッカフカに蒸し上がった餅米は甘く香ばしくとても良い香りがする。

突く前にそれを手でちぎってつまみ食いするのもこの時ならではの楽しみだ。

つき始めてまだ粒が残っている半殺しもまた美味い。

うちでは一回に三升のもち米をつく。

つき手一人でひと臼つきあげるのは結構体力的にはキツイのだが、義兄がやってくるまで弟が随分頑張ってくれた。

都合三臼を突いた。

年末と言えばなんとなく気ぜわしくちょこちょこと動き回って落ち着かない時期だ。

正月ってほんとは明けては暮れる普通の1日のはずなのだが、日本人にとっては特別な数日間なのだろう。

何かをリセットしたり、今年の目標をそれぞれが心の中で密かに思ったりする。

めんどくさいなとも思いつつ、そこら辺を少し片付けてみたり、松飾りを飾り付けたり、蕎麦をうったり、もちを突いたり着々と大晦日を迎える準備をする。

あーめんどくさい、、、、、けど来年は少し頑張ろう。

 

見守るハナちゃん

 


志津川蛸

2017年12月12日 | 安曇野の暮らし

東北に仕事に行っていた友人から贈り物が届いた。

大迫力の志津川蛸の足一本である。

その友人曰く「三陸の蛸はアワビ喰ってるからアワビの味がするんだよ」

え!マジかよ

と疑いつつも刺身とマリネをこさえた。

さてそのお味は?

丁寧に茹でられた為だろうか、弾力がありながらも柔らかいその身、ジュワッとあふれ出る肉汁は甘くコク深い。

アワビの味とか言われてもアワビなんてここのところ食ってないから忘れてしまったが、絶品の蛸である事は間違いない。

普段モーリタニア産の蛸ばかりをゴリゴリ食べているから志津川蛸のうまさが身に染みる。

 

震災の2年後志津川を訪れた。

多くの死者を出した志津川病院と、鉄骨しか残っていない防災庁舎以外には何にもなくて、復興工事のため頻繁に行き交うダンプカーでやたら埃っぽかった。

ここにはかつて街があって人々の暮らしがあったなんて想像も出来ない荒涼たる被災地。

今あの志津川はどうなっているんだろう?

そんな事をふと思いながら蛸をかみしめた。

 

 


怪我のこと

2017年12月07日 | ツアー日記

久々の投稿です

実は僕は五月の末にシュルンド(雪渓に出来た穴)に落ちて二ヶ月の入院を経て自宅療養をしていました。
診断では第一腰椎の破裂骨折とのこと。
4メートル墜落すればタダでは済まないですね。
かろうじてシュルンドから自力で脱出出来たのですが、出来なかったら僕はもしかしたら低体温症で息絶えていたかと思うとぞっと致します。
潰れた第一腰椎を出来るだけ膨らませてから、健全な上下の脊椎とプレートとボルトで繋ぐという手術は五時間近くに及びました。
ついでに骨盤の一部を削り取った骨片で補強もされているんだそうです。
すごいですよね

そして術後半年の12月5日、この日の検診にて異常は見られず、風呂に入る時以外ずっとしていたコルセットをいよいよ外すことになりました。
ずっと僕の痛めた背骨を護っていてくれたコルセット、来る日も来る日も一緒でしたから、最初ちょっとした不安がありましたが、しばらくすればそれ以上にしっかりと僕の体を支えてくれてる背骨の確かさを感じるようになりました。
怪我をする以前と変わらない感じで僕は歩けているんじゃないかと思います。

脊椎の強度はまだこれから徐々に上がっていくそうです。
ですから、まだ道半ばと言うところですが、衰えた筋力を鍛えつつ完全復活を目指します。
ご心配下さった皆様誠にありがとうございました。