山岳ガイド赤沼千史のブログ

山岳ガイドのかたわら、自家栽培の完全手打ち蕎麦の通販もやっています。
薫り高い「安曇野かね春の蕎麦」を是非ご賞味下さい

毎日ツアー大キレット8月25~27日

2013年08月31日 | 毎日ツアー

 秋雨前線が南下してがらりと空気が入れ替わったようだ。一頃より大分涼しくなって、山を歩くにはとても気持ちのよい季節。今回の大キレット縦走はそんな好条件に恵まれた快適縦走だった。

前日の槍平小屋では夕方から少し雨が降ったのだが、朝にはそれもすっかり上がり、時々沸いては消える雲が穂高連峰をより魅力的に見せてくれる。

 岩は乾いている。フリクションも良く効いて落ち着いて一つ一つをこなせば大丈夫だ。歩けば目の前に長谷川ピークや北穂高岳滝谷が迫ってくる。沸く雲のせいか展望はいつにもまして結構な迫力だ。

 難所を次々と越え、飛騨鳴きもやっつけて北穂小屋へ到着。みんなハイタッチ~握手~安堵感~生ビール!(笑)

全員の成功おめでとうございます。

南岳の下り

長谷川ピークをふり返って(鎖ベタ張りの岩稜に2班の雄姿)

滝谷に住む雷鳥(ハイマツもあまりなくてなんでここに?と思う)

快晴の夜 風は強い 寒い 消灯後シャッターを何度も切る

諏訪湖の新作花火発表会か?遠くに花火がみえた。

トリカブト、前穂

あちこちであっという間に秋の実り

ほほえましい全く人を怖がらず毛繕い中の徳沢の小猿、群れの中には発信器をつけられた者がいた

シュロソウ

ゴマダラカミキリ

キアゲハ幼虫

トリカブト、木道

ミヤマシシウドに甲虫(ここは虫たちの居酒屋だ)

槍平小屋の壁飾り、この小屋には「全ての武器を楽器に」なんて看板もある、YES!!

 

 

 

 


つかの間の夏休み

2013年08月31日 | 安曇野の暮らし

昨日、つやが三線もって遊びにきた

彼女は僕の友人のお嬢さんで、沖縄に数年間住んでいた事がある。

僕も若い頃2年間ほど住んでいたから、沖縄は特別な場所だ。

大梅さんの美味い蕎麦を食べに行った

縁側に座り込んで二人でセッションをした

それはきっと台風が遙か遠くの南の風を運んでくれているからだろう、風に吹かれて聞く三線とつやの声がここちよい。

夜は僕のやってるバンド「PLAY TONES」のレコーディング
そんな一日
つかの間の夏休み


北鎌尾根撤退8月22~24日

2013年08月29日 | ツアー日記

 

 北鎌尾根でのテント泊を諦め、僕らがヒュッテ大槍に入ってしばらくすると、近くで雷が鳴り始め、断続的な激しい雨が小屋を襲った。太平洋高気圧が南に下がって秋雨前線がこの付近を南下中なのだ。その雨はまるで滝のようで、里の雨ではなかなか経験の出来ない程のすごさだった。風も唸りを上げている。同宿のお客さんたちも次々に土間に出てニコニコ記念写真を撮ったりしてる。安全な場所から見るこんな自然現象は、なんか心躍るものがある。これが、予定通りの北鎌尾根のテントサイトであったら、僕らは今絶望の淵に立っているだろう。だが「対岸の火事」ってやつは、人の心を高揚させる。全く不謹慎だが、大雨でも火山の噴火でも、そして東日本大震災でも、それは間違いなく僕を高揚させる。この不埒な心模様。そして、結局はショックで打ちのめされる。震災後の復旧が全く進まなくて苦しんでいる方々に全く申し訳無いことだ。

 この日、島根県では「過去に経験のない大雨」に見舞われた。それにしても雷まで鳴るとは、今までの秋雨前線ではあまり経験のないことだが、最近はそんな事も普通になってしまった気がする。翌朝早朝発で一日での北鎌尾根踏破を目論んでいた僕らだが、暴風雨は明るくなるまで続き、僕らは上高地への撤退を決めた。北鎌沢は今頃滝のようになっているに違いない。

 次第に回復しつつある空が恨めしい。

 

雲が上がりつつある。

マスタケ(味のない鶏ささみのような食感のキノコ、色がマスの肉色に似るのでこの名がある)

静かな水面に緑


ライブやります。

2013年08月28日 | 音楽

僕は中学生の頃から始めたギターを今でも弾いている。

山もそうだが、ずっと続けてきた事だ。

ちっとも上手くはならないけれどね。

そしてこれからも多分ずっと続けて行くのだろうと思う。

というわけで、山の仕事も佳境の9月後半、三連ちゃんでライブやっちゃいます。

一緒にやるのは「カツラマズルカ」さん。

すてきな東欧ジプシーミュージックを奏でてくれます。

 


アスパラ

2013年08月26日 | 安曇野の暮らし

庭のあちらこちらから顔を出すアスパラ。

背が高くて不安定で、情けを掛けたくなる気持ちもあるが、草刈り機では容赦なく刈り込んだりしている。

でも、アスパラはたくましい。他の草よりぴょーんと抜きんでて風に揺られたりしてる。

来春は我が家の痩せた畑でヒョロヒョロの新芽を出す。


最近見た山の花など8月

2013年08月25日 | 蝶よ花よ獣たちよ

 

アシベニイグチ 海外では食菌、日本国内では有毒説もある。ボルチーニ茸の親戚(7月 島々谷)

アリドウシラン 13年ぶりで見かけた小さなラン(折立上部)

コウジタケ 割ると途端に紫色に変色する 食べられるが美味しくないらしい(薬師沢)

ヤマイグチ 軸はスカスカして食べると酸っぱくて美味しくない(薬師沢)

ウツボグサ ウツボとは弓矢の矢を入れるケースのこと、海のウツボの由来もそこから来ている(赤木沢)

ガンタケ 有毒(薬師沢)

キンコウカ(太郎平)

クサボタン どこがボタンなんだろう?(上高地)

ヌメリスギタケモドキ 食用(上高地)

タマゴタケ テングダケ科だが食用、バター炒めなど美味い(上高地)

タカネオミナエシ(徳沢)

センジュガンピ(徳沢)

ちょうちょ(笑)・・・・勉強不足(上高地)

タマアジジサイ この左側の二つの葉先の触れそうで触れない感じが好き(新穂高)

ミヤマモジズリ なんかサイズが大きすぎる気がするのだが(徳沢)

ガマ 果たして、こいつを美味そうだなと思える日は来るのだろうか?(横尾)

アキアカネ 盛夏彼らは高原やアルプスの稜線で涼しい風に当たっている、この時期はまだ赤くない(徳沢)

ミドリヒョウモン(上高地)

 

 

 

 


愚かなビール飲み

2013年08月24日 | 雑感

これは、槍沢ロッジの生ビールである。

なかなかいい泡を立てるお嬢さんだ。

実はこいつが飲みたくて、山に通っていると言っても過言ではない。

山小屋に着けば先ずは、体が冷える前に、ビールをぐびぐびっと。

ぷはああああーーーー、たまらん、この瞬間。

どこで飲むビールが一番旨いかって、そりゃ決まっている。

山だ。

それで、そのビールをさらに美味しくするために、ビール飲みは午後になったら一切の水とか、食べ物とか、飴ちゃんとかを口にしない。

お客さんが、何か美味しそうなものをくれると言っても

「いや結構です」

と、クールに断る。

渇望感こそが、ビールを最高の味に仕上げるからだ。

いくら喉が渇いても我慢する。

体の中の水分が減れば減るほどあたまのなかはビールのことで満たされていく。

そして、飲むビールはまさに至福のいっぱいになるのだ。

だがこれ、医者に言わせると非常に危険な事なのだそうだ。

解ってますって。

だが、愚かなビール飲みはこの悪しき習慣が止められないのだ。

確信犯的に。


カラスアゲハ

2013年08月22日 | 蝶よ花よ獣たちよ

水たまりに水を飲みに来たカラスアゲハ。

近づくと逃げる。でもまたやってくる。

どうしても水が飲みたいけど僕がいるから近づけない.

じっと座って

10分我慢して、このこは安心したのか羽を広げて水をたっぷり飲んでいった。

そこにあるものをただそのまま忠実に映しただけで充分美しい。


小嶋邦子という同志

2013年08月21日 | 写真と短い言葉

 この女性、小嶋邦子さんと言う。今年で7回目の上廊下の遡行である。勝率は3勝4敗。別に彼女の力量のせいではない。ここ数年の天候不順が原因だ。現在73歳。実は泳げない。

 おそらく彼女は上廊下に最も通う女性に違いない。しかも、全く定かではないのであるが若しかしたら最高齢なのではないだろうか。

 上廊下に魅せられ、僕らを絶対的に信頼してくれて、とにかく欠かさず通い楽しむ女性だ。足取りは派手ではないが、実にしっかりとしている。濁流の撤退劇など数々の生死を分かつ苦難も、僕らとともに経験した女性だ。

 彼女はスーパーウーマンではない。ただただ、諦めない心を持つ人なのだ

 彼女は既に我々の同志である。