山岳ガイド赤沼千史のブログ

山岳ガイドのかたわら、自家栽培の完全手打ち蕎麦の通販もやっています。
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北沢峠より甲斐駒ヶ岳(撤退)

2013年01月29日 | ツアー日記
1月13日から戸台~北沢峠より甲斐駒ヶ岳の下見に行ってきましたので、印象的なシーンをご報告
この日から大荒れの予報でしたが、たいしたことねえだろうとタカをくくって出発。
まずは八丁坂手前の沢にて氷の芸術作品を発見、なんて素晴らしんだろ?

まるでとても手の込んだ硝子作品、いや、それ以上ですね。


夕方近くの森の中の沢なのに、何故か氷が光り輝いています。
中から発光している様ですが、多分、レンズ効果のため
全く不思議です。


北沢峠に着いたのは暗くなってからですが、この夜から大荒れに。
風雪のテント泊となりました。
翌日も大雪、60cm程降ったでしょうか?
当然行動は出来ず、テント周りの除雪に一晩中追われます。

そんな中正月営業の駒仙小屋のまえでほっと和む演出が


三日目は、雪も止みましたが、帰りの事を考えて登頂は断念、朝一番で下山しました。
途中での印象


おそらく崖から足を踏み外し墜落死したニホンジカ
長く山にいると、こんな風景にも出会います。
我々人間も一緒だなと、ふと、思います。


深い雪ですが、雪質は軽く、ラッセルはさほどでもでもありませんでしたが、登り6時間のところ、下山に8時間を要しました。
戸台川を延々とラッセルします。
後方は甲斐駒ヶ岳





北沢峠から仙丈ヶ岳

2013年01月06日 | ツアー日記
1月3日~5日

仙丈ヶ岳へ行ってきました。
初日荒れ模様の中、北沢峠長衛荘へ。
暖かな小屋で甘酒の歓迎を受け、ほっと一息
夕食は、なんと牛肉の赤ワイン煮
ワインも頂きました。
上手かった。


五合目までの樹林帯からはちらちら北岳、甲斐駒ヶ岳などが見えます。


翌日は快晴でしたが、ものすごい強風で、小仙丈ヶ岳の先まで登ったのですが残念ながら撤退。
長時間の行動はとても体力が持ちません。
手の指も、鼻先もちぎれん程に痛いのです。
凍傷寸前ですね。

小仙丈ヶ岳からは、雲一つない大展望ですが、足下は地吹雪状態、シュカブラが飛び散り雪煙が舞い上がります。



無理せず下山して正解、長衛荘でのんびりします。
鼻の頭と、左手中指がやはりちりちりします。
冬の防寒対策は、甘く見てはいけません。ね


二日目の夕食はなんとすき焼き
私の大好物

最終日は快晴、風も止んだのですが、後ろ髪引かれる思いで戸台へ下山、冷えた体を仙流荘の風呂で暖めました。


ごあいさつ

2013年01月04日 | ごあいさつ
 
日頃皆様には大変お世話になっております

 2012年の皆さんの山はいかがでしたでしょうか?それぞれの目標は達することが出来ましたでしょうか?この冬は12月初旬から、大寒波にみまわれ、安曇野は早や厳寒の様になっています。我が家から朝な夕なに眺める有明山はあくまでも美しく、荘厳な面持ちで私たち安曇野にすむ者を、見守ってくれます。子供の頃から、数え切れないほど眺めてきた有明山ですが、その姿は、飽きると言うことがありません。不思議ですね、山って。
 他のスポーツと違って、山には旅の感覚があります。自分の足で歩けば、その先には常に未知の世界が展開していく訳ですから、これはまさしく旅なのです。そこには危険も潜んでいますから、自分をちゃんと面倒見てあげなければいけない。必要最低限の物をもって、自分の力量で、自由自在に山を歩くことは、なんて素晴らしい事でしょう。人間は本来頑張る自分が好きなのです。ついつい自分を甘やかしてしまうのも人間ですが、それでは人は、満足出来ないものですよね。心の中には不安や、恐怖や、切なさや、悲しさを抱いていても山へ入れば夢中になるあまり、それらがうまく溶けてしまって、満たされた気持ちになるのは、みなさん共通だとおもいます。

 さて2013年もちょっと背伸びをして、頑張る山を楽しんで下さい。
 今回3月6,7日に徹底的歩き方講習というツアーを設定いたしました。夏山の登山道を歩いていると、気がつかない自分の歩きの欠点を克服するための講習会です。歩くことは誰でも出来ます。しかし、正しく歩いている人は意外と少なくて、ザレ場やガレ場、岩場などでその欠点が現れてしまい、ますます恐怖感が募ると言う結果を引き起こします。
すぐそれは治るわけではありませんが、意識を持つことが大事です。
下りの苦手なかた、是非ご参加ください。