山岳ガイド赤沼千史のブログ

山岳ガイドのかたわら、自家栽培の完全手打ち蕎麦の通販もやっています。
薫り高い「安曇野かね春の蕎麦」を是非ご賞味下さい

冬も終わりですが「冬 新しい世界のはじまり」展開催中

2015年02月26日 | 雑感

この冬は本当に雪が良く降ったのだ。

南岸低気圧の通過で降り、またそれが通過してからは日本海側を中心に冬型の気圧配置で降ると言う事を繰り返し、スキーに出かける白馬界隈の積雪は例年の倍近くもある感じだった。そんな雪の季節も少しは落ち着いてきたのか、ここの所は暖かい日が増えてきて、雨も降るようになって融雪が一気にすすんだ。山スキーに出かけ滑り込む尾根から見る対岸の山肌の雪は黄砂混じりの茶色かかった春のそれになりつつある。

だがこの季節、僕にとっては逝く冬を見送るセンチメンタルな季節でもある。

何かに追われる事から開放されて、じっくり一つ事に集中出来る冬が大好きな僕は、春の便りが届くこの季節になると、心の中が妙にザワザワして落ち着かない気持ちになる。確定申告もしなくてはならないし、田んぼの準備もそろそろ考えておかなければいけない、屋根瓦が割れて雨漏りするボロ納屋もなんとか修繕したいし、他にもあれやこれやと急かされている事にふと気がついてしまうのだ。

実は、安曇野から白馬に向う道すがらにある「Yショップニシ」さんで2月7日から写真展をやらせて頂いている。場所は、大町市から白馬方面に向かって両側の山が狭まって来る辺り、南北に連なる仁科三湖の中で一番南側にある木崎湖畔をかすめるように通る国道148号線沿い。目の前には大糸線が平行して走り、木崎湖の湖面が光り輝いている。

写真展なんて考えもしなかった事だったが、Yショップニシ店主のユッキィ嬢からのお誘いをうけて、それではとその気になってしまった。デジタルカメラで撮った写真をプリントする事は滅多にない事だったから、色合いや額とのプリントサイズの相性がわからず再プリントをしてみたり、すったもんだのあげくなんとか開催にこぎ着けたのだが、ほんとにこんなんでいいのかなと言う不安もまだぬぐい去れていない。

この「Yショップニシ」は一風変わったコンビニエンスストアーである。まず、朝もはよからやってはいない。だいたい開店は9時頃だろうか。店内に入ればまずテーブルと椅子そして奥にはカウンターと厨房があって、木崎湖を眺めながらハンドドリップのコーヒーも頂けるし、蕎麦のメニューも充実しているのだ。商品ラインアップも普通とはどこか違っていて、ありがちなコンビニだと思って入ると少し戸惑ってしまうかもしれない。その壁面を使っての僕の写真展である。中央にはウォールナット仕上げのアップライトピアノが鎮座している。

実はこの木崎湖界隈は、2002年に放映されたテレビアニメおねがい☆ティーチャー』の舞台となった場所で、その筋の人達の中では聖地とされている。要するにオタクの聖地。そのなかで、主人公がアルバイトする縁川商店というのがこのYショップニシで、聖地巡礼のオタク達の憩いの場になっている。アニメオタク、鉄道オタク、カメラオタク・・・・・様々なオタク達が行き交う世にも不思議なコンビニエンスストアー「Yショップニシ」山やスキーの行き帰り是非訪れて頂きたい。可愛らしいおねーさん二人とお母様が出迎えてくれます。

冬は僕にとって再生の季節なのかもしれない。そしてまた何かを始めるための「冬 新しい世界のはじまり」展

稚拙な写真の数々ですが機会があれば是非お立ち寄りください。期間は3月31日まで。お待ちしています。

赤沼千史写真展 「冬 自由な世界のはじまり」

2月7日(土)〜3月31日(火)

縁川商店こと「Yショップニシ」・・・・・・・JR大糸線海の口駅から歩いて直ぐ。

 


さぼっています。

2015年02月04日 | 写真と短い言葉

いつもなら、年末には発行している山案内も出さぬまま、ぼくはサボっている

昨年も色んなものが僕の目の前に現れては消えていった

消えてしまって、二度と会う事が出来ないものもたちもある

それは、解決のつかないまま、ずっとずっと僕の心に残っていく事柄だ

枯れ枝の先にだれかが刺した空き缶は時々風に揺れてカラカラと音を立てる

淡々と冬の仕事をこなす

気が向けば山を滑り、愛犬の散歩にもでかける

友人と楽器を奏でる

いつも持ち歩くカメラで日々を切り取ってみる

美しいものはどこにあるのだ?

冬の朝、凍てつく空気は心の支えだ

ずっと冬なら良いのに

段々強くなる陽射しに寂しさを感じるのはぼくだけだろうか?

冬が大好きだ

やっと季節に追いついたと言うのに

淡々と、淡々と、ただ淡々と冬の日が訪れればいいのにと叶わぬ夢を見るのはぼくだけだろうか?

さあて、そろそろやらなくちゃね。

もう少しお待ちください。