今回久しぶりに引っ張り出して、一夜山へ背負って行った35年ほど前の MILLETの「WALTAR BONATTI」モデル。大切にしてきた。ほんの時々、使うだけ。と言うのは、テント山行ばかりをしていたから、あまり出番がなかったと言うのがほんとのところ。
この当時のミレーのザックのデザインは秀逸で、このブルーの分厚い帆布のとビニールレザーの組み合わせが堪らなかった。そしてこのおにぎり型がかっこよくて。ほしくてほしくて、小遣いを貯めて買ったんだっけなあ。これより一回り大きな、ルネ・ドメゾンも持っている。どちらも、ヨーロッパの粋なザック。
普段のテント山行で使っていたのは、80リットルほどの同じミレーのナイロン製の黄色のボディーに青い雨蓋が乗ったもの。モデル名は忘れてしまった。その後、シューイナードとか、カリマーとか現代的なザックが現れたが、僕はミレーばかりを背負っていた。確かに背負いづらくて、しょっちゅう肩がすりむけたりしていた。それでも僕はMILLET一筋だったのだ。
僕が登山を始めたのは高校時代だが、その高校の山岳部は少し変わっていて、キスリングは背負わなかった。全員縦長ザックだった。そこら辺は進歩的。だが、テントだけは頑として先輩から伝わる帆布製三角テント。他の高校が、ダンロップとか持っていたので、少し羨ましかった。高校総体の登山競技県予選に行っても、三角テントは張るのに時間が掛かるから減点されていつも成績はビリ。だけど、誰もそんな事気にしてなくて、端から勝つ気が無かったのかも知れない。それで、良いと思っていた。他の高校の顧問の先生達が「なつかしいなあ」と言って僕らの三角テントを占領するもんだから、僕らはずっと外で待っていたっけ。
話がそれたね。