山岳ガイド赤沼千史のブログ

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ノドグロを炊く

2016年09月20日 | 安曇野の暮らし

 連日山に入っていてたまの休みとなると無性に料理がしたくなって、帰り道にスーパーマーケットに寄ったりする。

最近といえば、魚の煮付けにはまっていて、とにかく何でも煮付けてみたくて仕方がない。

山のブログも書かずに、煮付けのブログばかり書いて大変恐縮だが、今回の煮付けは特別だったのだ。

いつものスーパーの魚売り場に直行すると、体長25センチ程のアカムツという魚が三尾ほどいた。

ルビーのような色をしているが、特長のないさえない魚だ。

ん?アカムツ?んんんんん、まてよ、アカムツってノドグロじゃねーの?

早速携帯をピコピコやって検索すると、やっぱそうだ。

アカムツ、別名ノドグロ、スズキ目スズキ科ホタルジャコ属の魚とある。

げげげ!安い。980円。しかも2割引。

いつも富山や糸魚川の鮮魚センターに売ってるヤツなんか数千円がざらで、富山ではサイズは違うにしても、12,000円なんてのも見たことがある。

回転寿司なんかにあったとしてもそれは大トロなどと肩を並べる最も高い魚で、ご大層に金色の皿にのっていたりする。

で、勇気を振り絞ってそれを注文するのだが、大概薄っぺらな身なのでそれはあっさり僕の口からノドに落ちて、ノドグロのノドグロたる所以を味わうまでもなく敢えなくその儀式は終わるのだ。

そんな経験も数回しかないのだが、笑

ところがそのノドグロが980円の2割引!

買いだ!!

レジではお姉さんに、「これ安いよねー?」などと話しかけ苦笑される。

レジ袋にはいった二尾のそれをまるで札束でも抱えるかのようにして家に帰った。

さて、いそいそと家に帰るつくと、早速調理を始める。

ウロコをガリガリけずり取りハラワタを取り出す。

25センチながら丸々と太った身は十分な厚みがあって、僕の馴染みの岩魚25センチなんかに比べるとかなりのド迫力だ。

身を切る包丁はべっとっべとに脂がのる。

白身なのに。

なんじゃこりゃ!!!

一尾は煮付けに、そしてもう一尾は三枚におろして塩焼きとうしお汁とした。

はて果たしてそのお味は?

ノドグロごときがなにをか況んや!

煮付け、、、、、、、、最高!

ふわふわのやわらかさ、甘みは充分、口の中で直ちに溶けてゆくきめの細かい肉質と隅々にまで行き渡った上質な脂。

凄い魚だ。

塩焼き、、、、、、そのにじみ出る脂が凄くてこれは塩焼きではなくて、これはもはやムニエルだ。

しっかしこれも美味いぞ!

うしお汁、、、、、、これは鯛には負ける。旨味成分は鯛のアラの勝ちってとこだろうか?

もしかしたら、味噌汁の方が合うのかもななどと考えながらも、家族三人でぺろっと二尾の超高級魚を食ってしまった。

秋から冬にかけてが旬だそうです。

ノドグロお勧めですよ、みなさん。

後日談

実は、翌日もノドグロの病に取り憑かれてしまった僕はスーパーの魚売り場をうろつくことになる。

おお!今日もあるぞ!

本日のノドグロは値引き無しの980円、店員さんに聞くと「刺身でいけますよ」とのこと。

一本買って三枚におろし、皮目を残しバーナーで焼いて炙りとした。

大トロにも負けぬ甘みと濃厚さが口の中に広がる。

しかも幸運にもこいつは卵を抱いていた。

肝には少し苦みがあるがこれまた絶品。

みなさん、見かけたら買いですよ、買い!

 

 

 


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