山岳ガイド赤沼千史のブログ

山岳ガイドのかたわら、自家栽培の完全手打ち蕎麦の通販もやっています。
薫り高い「安曇野かね春の蕎麦」を是非ご賞味下さい

トランギアのコッフェル

2013年09月03日 | 登山道具考

 これは、トランギアというアルミの鍋とテフロン加工を施されたフライパンと小鍋のセットだ。スウェーデン製である。オレンジ色のはジェットボイル。これらをいろいろ組み合わせて使う。いずれも僕の長年の愛用品だ。

 トランギアはまっ黒だが、決して洗ってないわけではない。僕らは沢へ出かけるので焚き火で調理をするからまっ黒になってしまったのだ。この黒さは愛着でもある。トランギアは若干重い、と言うかしっかりしている。しかも、プラスティック部品が鍋のフタに一つあるだけだから、直火調理が可能なわけだ。このまま焚き火の中に放り込んで使ったりしても平気だ。鍋の上げ下ろしはクランプを使って挟んで行う。最近のコッフェルには、ほぼ必ずシリコンゴムやプラスティックのついた取っ手があって、これでは焚き火調理が出来ないので使い物にならないのだ。実はこのトランギアは2代目で、昨年暮れ、秩父で友人と飲んだ後、鍋を車の下に入れて置いたのだが、翌朝それを忘れて車を動かしぺしゃんこにしてしまった。13年間使っていたものだから、そのショックは大きかった。京都の鴨川沿いのスッポン屋さんよろしく。長年の味が染みこんでいい出しのでる鍋だったのに。(笑う)僕のようなヘビーユーザーでもそのぐらい持ちます。

 テフロン加工の鍋は、揚げ物、炒め物、オーブン料理と色んな調理が可能だから、山での食事の可能性がぐんと広がる。昔懐かしい灯油ストーブのオプティマスとかスベアとかもみんなスウェーデン製だ。真鍮製でプレヒートをして、シュポシュポとポンプで圧力掛けて使うあれ。今でも一年に一回ぐらいは磨いたり着火させたりしてる。懐かしいなあ。いずれもアウトドアの歴史の長いスウェーデンの逸品である。

 ジェットボイルは現代のハイテク鍋で、鍋の底部分に吸熱板を備えた省エネコッフェルである。異常に早く湯が沸くし、そのフィンのお陰でコンロヘッドからずれ落ちないから、狭いテントの中では安心感が有る。結露しにくいので、冬の水作りには大変重宝しているし、ガスの節約になるから装備を軽くできる。


安曇野ガラス北工房

2013年09月02日 | 安曇野スタイル

 台風のお陰で(せいで)ツアーの仕事がキャンセルとなって、ぽっかり空いた思いがけぬ休日。だが、それはそれでやる事が沢山あって、あちらこちらをウロウロすることになる。11月1~4日の日程で開催される「安曇野スタイル」というイベントの準備で友人のガラス工房を訪ねた。

 安曇野スタイルは、ここ安曇野周辺を中心に、あちらこちらの会場でアートやクラフトの展示、ワークショップや音楽イベントなどが行われるアートイベントだ。今年で、8回目の開催となる。我が家でも、初回から参加(初回は我が家が唯一の会場だった)していて、現在、100を越える参加者が、色んな展示をしたり、工房公開をしたりするイベントになった。そろそろその宣伝用チラシを作る時期に来ていて、参加者の写真やら、プロフィールやらを集める。それらを素にチラシのデザインをしてくれているのが、ここ安曇野ガラス北工房の酒井さんだ。

 

 この美しいガラス作品を作り出すのはその北工房の酒井真一さんと、松浦あかねさんご夫婦だ。近づく台風が運ぶ風にいっせいに風鈴が揺れて鳴る。何とも柔らかく涼やかな音色だ。ついつい打ち合わせを忘れて僕の心は遠い世界に飛んで行ってしまいそうになる。コバルト色のガラス越しに見る風景それは、いつか見た過去のものなのか、あるいはまだ見ぬ憧れなのか、うかつにも想像の世界への入り口はこんなところのにぽっかり口を開けていた。

研磨機

 

 美しいものを作り続ける人たちに僕は憧れる。その作業は実は地味で、緻密な段取りの積み重ねで有るだろうし、なにより根気が必要なことも何となく知っている。バカみたいに、重箱の隅をつつくように拘って、妥協しないでものを作り上げる人達の作り出すモノは、やがて、人々の心を引きつけ圧倒しそしてぼくらを癒してくれる、そんなモノになるのだ。

「安曇野ガラス北工房」       http://agns2010.com/

「2013安曇野スタイル」    11月1日(金)~4日(月)

                    http://www.azumino-style.com/

                    https://www.facebook.com/azuminostyle