東野圭吾ミステリー新春ドラマ特別企画 「赤い指」 ＊感想＊

連続ドラマ「新参者」は　尻つぼみに面白味も魅力も無くなっていった感じを受けていたし
正直　今回のSPドラマには全く期待してなかったので　予想外のドラマの仕上がりにゃあビックリ。
「新参者」のときの　まるで幽霊かなにかのような加賀（阿部寛）の登場の仕方や
その時に使われるホラームービーさながらの効果音と仰々しい音楽
芸人さんの安易な起用と　その方を使った面白くもなんともないコミカルなシーンといった　私の嫌いな演出は無くなり
お気に入りの山下達郎さんの主題歌と　「新参者」のテーマ（勝手にそう呼んでいる）と
相変わらず神出鬼没で鋭い観察力を持つ加賀恭一郎の（過剰な演出無しの）魅力は　再び堪能できるという　
文句のつけドコロの無い仕上がり（偉そうにスミマセン・・）に大満足♪　　　　（ちなみにアンジャッシュの児嶋さんは
「フリーター、家を買う。」でもいい味を出していたし　今後の俳優活動も見てみたいので気にならない(笑)。）

少女を殺害した犯人は初めから分かってしまうし　昭夫（杉本哲太）の“予想だにしない決断”は
テロップで煽るまでもなく難なく予想がついてしまうストーリーではあるけれど
政恵（佐々木すみ江）がつき続けた嘘と　春美（富田靖子）が守り続けていた秘密は　全く予測できなくてビックリ。
愚かな行為を重ね続ける昭夫と八重子（西田尚美）の様子が描かれていた前半部分も
杉本さんと西田さんの素晴らしい演技で　かなりスリリングな展開となっていてグイグイ惹きつけられた。
ところどころに入れられた回想シーンも　とても効果的。
思春期の息子に対して戸惑いを見せる昭夫と　息子に異常なまでの愛情を注ごうとする八重子の心情が伝わってくる。
恐ろしい計画を立てたものの心が揺れ動く昭夫の心情や　クライマックスシーンでの昭夫の告白も
この回想シーンによって　さらに魅力的に映るのが良かったと思う。

家族とは何か・・。子供を思う親の愛とは・・。親を思う子供の心とは・・。
そんなことをテーマに　メインのストーリーと加賀のエピソードがリンクしていたのも面白い。
加賀さんは「新参者」の時よりも　教訓めいたコトを語りすぎなような気がするし　
父親と自分の関係を松宮（溝端淳平）にペラペラ語る様子は　「新参者」の加賀らしくはない気もするけれど
「新参者」の時には謎だった加賀と父の関係が明かされたり　
加賀と亜美（黒木メイサ）の出会いのエピソードを描くなど　ファンサービースもあって　楽しめるドラマだった。

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「新参者」最終回　＊感想＊