娘の加護

　今日の午後は娘の墓参りを済ませてから鳳のアリオに行った。ここはイトーヨーカドーを核店舗としてテナントが150店以上もある大きなショッピング・モールである。
　来週、妻の姪の結婚式があるので妻は服を買い、私はYシャツとネクタイを買った。
　そして本屋で本を買ったり、雑貨店で食器を買ったり、仕入れをしたりしてからここで食事を済ませた。
　かなり時間を費やした後、イザ、車のところに行くとパッシングライトが点滅しいていた。
　「うわー、どないしよ、5時間近くも点滅したままや！バッテリーが上がってたら大変や」
　日曜日でクルマ屋は休みだし時間も夜の8時を過ぎている。荷物は沢山あるし、生モノの食料品もある。
　場所は自宅からかなり遠いので車を置いて帰るわけにはいかない。もし動かなかったら「あんた、どうすんの！」と嫁さんが責めるに違いない。一瞬の間に色々な不安要素が脳裏を駆け巡った。
　「掛れへんかったらどないしよ」と思いながら、おそるおそるキーをひねった。
　「ブルル～」
　エンジンが掛った。すべての不安が一気に吹っ飛んだ。そして「墓参りに行っててよかった。きっと娘が助けてくれたんや」と思った。

　一句：娘(コ)の加護で　窮地を脱した　親のミス