親睦深めるためのSMAP飲み会が解散を加速させた面あり
SMAP解散の引き金は、結成25周年ライブだった。5人揃って「存続」を報告した『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の生放送会見から7か月。ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長(84才)はメンバーの説得を続けていた。 「社長たっての願いだ
SMAP解散の引き金は、結成25周年ライブだった。5人揃って「存続」を報告した『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の生放送会見から7か月。ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長(84才)はメンバーの説得を続けていた。
「社長たっての願いだ。ユーたちにはライブを待ち望むファンがいる」
そう言って周年ライブを開催するよう求めた社長だが、頑なに首を縦に振らなかったメンバーが、香取慎吾(39才)だった。
「当時の香取さんのメンタルはギリギリの状態でした。食べられない、眠れない、仕事をするのがやっと…。虚脱感に苛まれ、3月にはドラマの打ち上げの席で“自殺するかもしれない”と口にしたこともありました。『スマスマ』でも彼が一切笑わない回があり、事務所関係者からは専属のカウンセラーを付けるべきだという声もあがっていました。“命の危険もある”と、かなりナーバスになっていた」(音楽関係者)
解散騒動の発端となった女性マネジャーが、事務所を事実上クビになったことが尾を引いた。女性マネジャーを最も慕っていた香取は、彼女なきグループでの活動に意義を見いだせなくなっていた。
「同時に、ひとり事務所残留を決めた木村拓哉さん(43才)へのわだかまりを強めていきました。“あの人と一緒の仕事は絶対に受けたくない”とまで話すようになり、25周年ライブだけでなく夏の音楽番組のオファーも拒否したといいます」(芸能関係者)
香取の心のしこりは、木村の“翻意”によって生じていた。実は、木村も当初は女性マネジャーに追随する姿勢を見せていたという。
「彼女も、5人は来てくれるという確信を得たから退社、独立に傾いた部分があった。でも、妻の工藤静香さん(46才)から説得され、一転して事務所残留を決めてしまった。香取さんからすれば、“残るなら最初から言えよ”という気持ちが強いんです。木村さんがついて来ないことがわかっていれば、女性マネジャーも辞めなかったはずですから」(前出・音楽関係者)
無論、木村にも言い分はある。メンバーで唯一家庭を持つだけに、恩義と守るべき者の間で揺れるのは詮方ない。
「分裂を生んだ責任を感じていたのでしょう。騒動後の木村さんは、収録現場でなんとか空気をよくしようと、他のメンバーにいつも以上に声をかけていました。“前を向いていこうぜ”って。でも、香取さんを筆頭にみんな無視し続けた。木村さんの失望は深かった。事務所に残る以上、大人として仕事をするべきなのに、やっていることは小学校のいじめレベル。“ガキじゃねぇんだからよ”と彼もキレていました」
ねじれて膠着した5人の輪。動いたのはリーダーの中居正広(44才)だった。中居は悩める香取を気にかけ、5月には熊本県の被災地の炊き出しに連れて行った。過去、プライベートではほとんど接点のなかったふたりだが、飲みにも誘ったという。
「中居さんは、SMAPの活動に前向きになるよう香取さんを説得しようとしたんです。彼は分裂騒動時、木村さんとの長年の対立が報じられましたが、リーダーとしてSMAPへの愛は人一倍強い。騒動以降、事務所幹部との関係も修復し、グループ存続に向けて水面下で動いてきました。香取さんを励ますため、草なぎ剛さん(42才)や稲垣吾郎さん(42才)も誘い、4人で飲むこともあったそうです。ただ、徐々に香取さんも自分の意見を話すようになったものの、“もう無理”という意志だけは変わらなかったようです」
4人の飲み会は回を重ねた。7月9日に草なぎは42才の誕生日を迎えたが、その頃になると、しょっちゅう一緒に飲みに行っていたという。
「お祝いも兼ねていたんでしょうが、20年以上一緒に過ごしてきた仲ですから、飲めばわかり合う部分もある。香取さんと草なぎさんは元来兄弟のような仲ですし、いつしか稲垣さんもその輪に加わるようになっていきました」
だが、結果的にこれは木村の孤立を強め、香取の意志に他のメンバーが寄り添う構図を作っていった。
「活動に意欲的な中居さんと木村さん、消極的な香取さんと草なぎさん、中立の稲垣さん。2対2対1という危うい均衡を保っていた従来の関係が変わってしまったんです。消極派が稲垣さんを加えた3人と“多数派”になり、グループ活動が本格的に立ちゆかなくなった。中居さんもこれは誤算だったようです」
音楽番組の出演を正式に辞退し、7月中旬には周年ライブの白紙が決定的に。グループは静かに崩壊へと進んでいった。