カムチャツカ・ベズイミアニ山 火砕流で一瞬で雪溶ける
カムチャツカ半島のベズイミアニ山は20日、爆発的噴火を起こし、噴煙の高さが1万5000メートル上空に到達した。ロシア科学アカデミー(IVS FEB RAS)は監視カメラがとらえた噴火の瞬間の動画を公開し、再び次の噴火が起こるおそれがあるとして航空路線に警戒を呼びかけている。
半島東部にそびえるベズイミアニ山は、日本時間20日昼過ぎ、勢いよく噴煙を放出し、激しい爆発的噴火を繰り返した。当時は日の入り前で山の稜線に太陽が落ちかけていたが、上空いっぱいに噴煙が広がると太陽が見えなくなり、あたり一面、日が暮れた後のように暗くなった。
この噴煙で、ベズイミアニ山の北側に並ぶカーメン山とクリュチェフスカヤ山の姿も見えなくなったが、噴火から24時間が経過したきょうは、火山灰を含む噴煙が放出されるだけで、噴火は起きていない。
同アカデミーが20日に公開したYouTube動画を見ると、爆発はほぼ同時に相次ぎ、それに伴って火砕流も発生。高温の噴出物が飛散した影響で、火口周辺の雪が一瞬で溶けて蒸発し、たくさんのスチームが上昇する一方、火砕流の熱で雪が溶かされ、泥流も発生しているようだ。
カムチャツカ火山観測所は一時期は危険度を最高位に引き上げた航空コードを一段引き下げてオレンジ色にしたが、新たな噴火が起こる可能性があるとみて、周辺を飛行する航空機へ警戒を呼びかけている。