花粉症のアレルギー反応「食事時間を見直すと改善の可能性」
あと1カ月もすれば、再び嫌な花粉症の季節がめぐってくるが、山梨大学の研究チームは、くしゃみや鼻水、じんましんなどのアレルギー反応は、不規則な食生活によって狂った体内時計と関係している可能性を、マウスを使った実験によって確かめた。生活が不規則になりがちな現代人には、ちと耳が痛い結果だ。
山梨大医学部免疫学講座の中尾篤人教授と中村勇規准教授らのチームはかつて、睡眠や起床、ホルモン分泌など、24時間のリズムを刻む体内時計が、アレルギー症状が起こる時間帯と関係していることを発見。
例えば、花粉症では朝方にくしゃみや鼻水が起こりやすいため、「モーニングアタック」と呼ばれている。アレルギー反応は、マスト細胞と呼ばれる免疫細胞が、スギ花粉などのアレルギー物質に反応して、くしゃみや鼻水、じんましんなどを引き起こす化学物質ヒスタミンを放出することが原因だが、このマスト細胞の働きは体内時計がカギを握っているという。
昼夜問わず反応が出る
そこで研究チームは、動物実験を行い、夜行性のマウスに本来眠っているはずの日中にエサを与える生活を2週間続けて、じんましん反応を誘発。
その結果、活動時間中の夜に食餌していたマウスは、休息している昼間にじんましんが出たのに対して、日中にエサを与えていたマウスでは、昼夜関係なくじんましんが出現し、体内時計のリズムが狂っていることがわかった。
さらにマスト細胞の体内時計を調べると、夜に食べていたマウスと比べて、異常なリズムを刻んでいたことも裏付けられたことから、食事のタイミングが不規則だと、体内時計のリズムも不規則になり、アレルギー反応の強さや症状が出やすい時間帯も変わってしまうことがわかった。本来ならば症状が出にくい時間帯でも強い反応が出ることがあるという。