今夏の北海道マラソンは休止 パラリンピックと重なり、要員確保できず
1987年の第1回大会以来、初めて
北海道マラソン組織委員会(北海道陸上競技協会、北海道、札幌市、北海道新聞社など)は30日、札幌市内で実行委員会を開き、今夏予定していた大会の休止を決めた。開催予定日が東京パラリンピック期間と重なり運営要員を確保できないことなどが理由。例年8月最終日曜日に開催している北海道マラソンが休止するのは1987年の第1回大会以来、初めて。
五輪マラソン 3次元動画で札幌市内のコース見所を紹介
「21年には一層魅力ある大会に」
組織委は休止とする主な理由として《1》開催予定日の8月30日が東京パラリンピックの期間と重なるため運営全般に関わる要員を確保することが困難《2》同6~9日に東京五輪マラソン・競歩が札幌市で行われることになり、北海道マラソンで会場としている大通公園(同市中央区)内に大会関係施設が設置されるため原状回復に長期間かかる―を挙げている。
鶴井亨実行委員長(北海道新聞社常務取締役)は「大会を楽しみにしていたランナーの皆さまには大変申し訳なく思います。次回2021年8月の大会は、参加者にとっても、また沿道で応援する方々にとっても一層魅力ある大会にしていきます」とコメントした。
昨年で33回目 2万人規模
北海道マラソンは、1987年に北海道陸協、北海道新聞社、道新グループ各社の主催で始まり、昨年で33回目。2006年には大会規模の拡大に向け、主催を組織委員会方式に切り替え、道や札幌市なども名を連ねるようになった。第1回から北海道新聞社が大会事務局を担っている。
新設当時、マラソン大会は11月から3月までという「シーズン制」を採用していたが、五輪や世界選手権が開かれる夏の暑さ対策が必要―との観点から、日本陸連が例外的に夏マラソンの開催を認めた。
コースは第1回が厚別公園競技場を発着、その後いくつかの変遷をたどり、12年から現在の大通公園発着になった。参加者数は第1回大会の約400人から始まり、12年の26回大会で1万人、16年の30回大会からは現在の2万人規模になった。
昨年9月に行われた代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)では、北海道マラソンで出場権を得た前田穂南選手(天満屋)と鈴木亜由子選手(日本郵政グループ)が1位、2位でゴールし、五輪女子マラソンの切符をつかんだ。
北海道マラソンは、障害者と健常者が同じフィールドで競技に参加できる道を模索している。15年から「はまなす車いすマラソン」と合同開催しているほか、18年には「視覚障がい者の部」を新設。昨年の大会は、東京パラリンピックの視覚障害者マラソンの代表選考レースにもなった。