少し前のこと

私には２つ年上の姉がいます
幼い頃はとても仲の良い姉妹だったんです
今から15年以上前に遡り、その頃から徐々に距離ができ、
大きな溝ができてしまいました

あの頃、様々な出来事があり、姉とは他人のような関係が続いていましたが、
私は平気でした
平気なふりをしていたのです
今もまだ平気なふりをしている

先月、姉のお腹に命が宿りました
姉が「なぜアンタぢゃなく私に授かったんだろう」と泣いた時、
私は泣かなかった

本心は、姉よりも私に授けて欲しかった
姉には中学生の娘がいるじゃない

私は神さまを責めました

喜ばしいこと、幸せなことだということは分かっていても
「お姉ちゃん、良かったね」笑顔でそう言えても
私は七年もの間、待ち続けてきたのに
まだ叶えてくれないのかと
悲観的で自己中心的な考えしか浮かばず、孤独感が募り、自己嫌悪に陥る

だけど、姉に宿った命は、私の祈りだったとやっと気がつきました
私は姉の幸せを心から祈っていた

姉の離婚が成立したころ、私の結婚話がまとまり
「アンタの幸せを祝えない」と言い詫びながら私を抱きしめた姉

姉が一人娘と暮らすアパートでは、脳出血で重度障害障害が残った父を引き取り
24時間体制の介護が続いている
祖父母の世話している母に代わり、父の自宅介護は姉が望んだことだった

「私は幸せよ」と笑う姉

姉の子供として自ら選びここに宿った命は何より尊い命です
その命が姉と彼を結び、結婚することが決まりました

「姉ちゃん、おめでとう」

そう、心から伝えることができました

全てがいい方向に進んでる
きっと、姉との距離も縮まっていく…
雲一つない空を毎日見上げて深呼吸
私の心のモヤモヤも晴れてやっと前を見ることができました