自転車乗りの自転車屋です β版

新潟県新発田市でサイクルショップ27(CS27)という自転車店を営んでいます。

リコール 2件 デダステムとマグラブレーキ

2013-03-18 23:26:26 | CS27のブログ
ちょっとこの業界、リコールでドタバタしています。


一つはハンドルステム

DEDA ELEMENTI ZERO 100 (デダエレメンティ ゼロ100 )

DEDA ELEMENTI ZERO 100 SERVIZO CORSE(デダエレメンティ ゼロ100 セルヴィッツオ コルセ)

DEDA ELEMENTI ZERO 100 PISTA(デダエレメンティ ゼロ100 ピスタ)

該当製品をお持ちの場合:すぐに使用を中断し、製品を購入した販売店もしくは国内輸入販売代理店へ連絡し、対策部品への交換を実施してください。

対応方法:対策部品への無償交換

対応開始日:2013/3/15

リコール理由:ハンドルクランプを固定するボルトを締付け過ぎると、走行中に破損する恐れが高いと判断したため。


【注意事項と品質保証について】
•組み付けには必ず正しく調整された正確にトルク管理が出来るトルクレンチを用い、指定トルクでの締め付けを守ること。
•DEDA ELEMENTI ZERO 100、ZERO 100 SERVIZIO、ZERO 100 PISTAステムのハンドルクランプ径は31.7mmです。他社製ハンドルバーとの組合せは考慮されておりません。必ずDEDA ELEMENTI社製31.7mmクランプのハンドルバーと組み合わせてご使用ください。サイズが適合しない組合せで使用された場合、規定トルクで締め付けを行ってもクランプの破損やハンドルの折損が起こる場合があります。
•軽量パーツなど、高価なパーツほど競技用部品として耐久性よりもパフォーマンスを優先して設計されております。デダエレメンティ社では競技用部品に関して使用状況によりおよそ2 ~ 4 年で使用を中止し新品に交換するよう指示されております。
•上記注意点を守らずご使用になられた場合には、規定されたメーカー品質保証は適用されない場合がありますのでご注意ください。
•点検および交換作業はお買い求めになられた販売店へご依頼ください。


以上が輸入元代理店4社からの発表事項(以上抜粋)


今までの経過を掻い摘んで書くと、昨年までにクランプが折れた事例が数件あったそうです。
それでデダエレメンティ社で製品を調べたところ、強度に問題は無いので取り付け方の問題じゃないのか?
という結論に達しました。トルクレンチを使わずに過大なトルクをボルトに掛けたとか、均等にボルトを締めてなかったとかね。
ショップで組み付けてる分には問題ないと思いますが、ウチのお客さんでも自分でポジション変えたときに不均等に取り付けてしまっていることが多々ありました。(デダに限らず)

デダエレメンティ社で公的な検査機関に依頼して破損した製品の検査をしたり、日本国内でも独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」が市販品を購入して検査したけど、どちらの検査でも事故の原因となりうる製品の材質や製造、設計上の欠陥は見当たらなかったとのことでした。


“しかしながら、2013年1月に該当製品を使用中のユーザー様の骨折を含む重大事故が発生しているという事実を重く受け止め、製造上の欠陥の有無に関わらず、取扱い上の不注意(最大トルク値を超えた締付け)や偶発的に加わった無理な力(転倒など)が原因で破損する可能性が高いと判断し、ユーザー様の安全確保を最優先し該当品のハンドルクランプ部品を強化対策済み部品へ無償交換させていただく事になりました。デダエレメンティ社では各部の厚みを増して強化した対策部品を準備しており、現在入荷している製品にはこの対策部品が装着されております。”(抜粋)

という結論に達したようです。


いやあ昔は3Tのステムも折れたし、チネリのステムなんか締まらなかったもんね…。
レーシングパーツはギリギリの設計し過ぎるね。
最近、PL法って話題に上がらなくなったけど、ハンドルとステムは同じメーカーを使わないと消費者を守るPL法が適応されない場合があるので注意してください。


しかし、対策部品用意してるんだったら告知が遅くない?





二つ目はディスクブレーキ

マグラ社の自転車用油圧ディスクブレーキセットMT8ならびにMT6に関し、一部のロットに不具合が見つかり、対象となる製品は対策部品と交換を行う旨、メーカーより通達がありました。

・不具合の内容
複数の条件が重なった場合、低温下にて制動力が低下する可能性があるため。

・対象ロットの詳細
キャリパーに記載されているシリアルナンバーの上5桁(上側)が、「20531」以下の場合。
(以上抜粋)

純正の組み合わせで普通に使っていれば問題なさそうなんですが、複数の条件ってなんでしょうね。電話して聞いてみたけど具体的な話は不明でした。



ところで、『リコール』と『自主回収』の違い。
私も使っている件の自動車の事件以来、消費者は『リコール』という言葉に敏感になっているようですが、メーカーもユーザーも『リコール』って言葉を安易に使いすぎ。
リコールはメーカーが「こりゃいけない!」ってことで監督省庁に申請して回収・交換する手続きのこと。
自主回収は『JIS』や『ISO』などの基準はクリアしているけど、さらに厳しく設定している社内の基準をクリアしてなかったので回収・交換すること。
と、私は認識しています。

大抵の場合、自主回収すると会社の評価は上がるけど、リコールを出すと会社の評価は落ちますね。
それでリコールを隠したり出し渋ってるんでしょうけど、リコールを出した場合、いかにフォローするかってところで会社の評価が決まると思うんです。

よくメーカー品は高いって言われますけど、危機管理のできている会社は歩留まりや自主回収のリスクも計算してるんですよ。


話はそれたけど、リコール申請すると経済産業省で告知されます。

リコール:自転車の部
http://www.meti.go.jp/product_safety/recall/norimono_1.html

ここには載ってないけど、自主回収からリコールに発展する場合もあるかもしれません。
ユーザーにとってはリコールも自主回収も同義語と思ってもいいのかもね。

因みに自転車以外のリコール製品
http://www.meti.go.jp/product_safety/recall/index.html


どうでもいい話をもう一つ。
昔聞いた話なんですが、シマノは7段8段と多段化したときにチェーンの幅が狭くなりJIS規格から外れたそうです。
既存の規格に縛られてたんじゃ自転車は発展しない!って思ったんでしょうね。今じゃ11段。
JIS規格から外れたときにチェーンが切れてたらリコールしてたんでしょうかね。
JIS規格も時代に沿って変わったようですが今はどうなんだろ。


以前にも書いたけど、レーシングパーツにはヤバいのが沢山あります。
私が売り渋ったらよそで買って壊れたって話もあります。
高ければ丈夫とか長持ちするってわけでもないのです。
使い方次第ってのもあるんで自分の使用するシチュエーションやロケーションを考えましょうね。






確定申告終ったらオーバーホールや新車組み立てやら修理やら…。
全部今月中に片づけてやる!!!!!
コメント
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