1月15日、芥川賞と直木賞が発表されました。
芥川龍之介賞:『九年前の祈り』(群像9月号)小野正嗣
直木三十五賞:「サラバ!」(小学館)西加奈子
芥川賞:純文学の新人賞
直木賞:大衆文学の新人賞
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今年は年初から締め切りのものやら授業に追われて、「ガレットデロワ」を買っている余裕がなかった。最近は日本でもケーキ屋さんやパン屋さんでも売っていて手軽に手に入れることができるようになったが、さすが、15日を過ぎては、もうどこにも売っていないだろう、少々残念。
「ガトーデロワ」は、ケーキの生地の中に王様の形をした「フェーヴ」という小さな白い瀬戸物のようなものを入れて焼くパイ生地のお菓子で、一月の最初の日曜日に食べる伝統的なお菓子です。
切り分けたパーツに王様が入っていた人は王様になれて王冠を被り、皆で王様になった人を祝福して愉しむ。王様だけでなく、女王様が入っている場合もあるようです。
そう言えば、映画「シェルブールの雨傘」には、ヒロインのジュヌビエーヴが王冠を被るシーンがありました。
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これは一種のパーティのお遊びのようなものであって、留学時代は、毎年一月初めに、このパーティにお呼ばれしたものでした。初めて参加した「ガトーデロワ」のパーティでは、何と私のガトーにフェーヴが入っていて、王冠をかぶせられ、何のことか意味がわからず、困惑したものでした。
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エックサンプロヴァンスの学生の仲間うちのパーティの時は、生地がパイではなくて何とパンのブリオッシュ。アーモンド・プードルがたっぷり入ったパイ生地が大好きだった私は、貧乏学生の集まりだからなのかなと、がっかり。ところが、最近になって、南仏では、ガレットの生地はパイではなく、ブリオッシュ生地が伝統なのだと知り、今頃になって、せっかく招待してくれた友人達に申し訳ないことをしてしまったような気がしています。
フランスと言っても、パリと南仏では、このように違うものなのです。
指導教授が「パリではサラダといえば、レタスだけのグリーン・サラダだが、南仏のサラダは、見てごらん、オリーブ、トマト、アンチョビ、ほかにも、ツナ、ゆで卵やジャガイモ等々、いろいろ入っていて豊かでしょう」と奥様のお料理を自慢していらしたのを懐かしく思い出します。
そろそろ仕事に戻ることにしましょう。
ガレット・デロワではないけれど、お土産にと頂いたとても美味しいチョコレートをかじりながら・・・