西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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アシア・ジェバール著 『愛、ファンタジア』 石川清子翻訳

2021年05月01日 | 覚え書き

 

 

北アフリカを代表する女性作家の最高傑作。
アルジェリア独立戦争を舞台に、文化の衝突と少女の運命を活写する。
リチャード・パワーズ絶賛。

舞台はアルジェリア。「ファンタジア」とは北アフリカに古来から伝わる、戦闘を模した騎馬芸のことだ。疾駆する騎馬、いっせいに空に向けて銃を放つ騎士たち、それにあわせ女たちがあげる鋭い叫び声。様々な声が絡み合うファンタジアの形式を模して、物語はギャロップのリズムのように自在に、一世紀以上にわたるフランスのアルジェリア占領から独立後までをたどる。文字を覚えひそかに男たちと手紙をかわす少女たち、自らの殺戮の記録を書きとめる征服者、伝統的価値観に生きる女たち…。さまざまな人物の声が響き合い、声の連鎖はやがて歴史の壮大なアラベスクとなり、読む者を圧倒する。これは、無数の声による自伝なのだ。20歳で「アルジェリアのサガン」といわれ、近年はノーベル賞候補となり話題を集める作家が、イスラームとヨーロッパの衝突と個人の運命を圧倒的な筆力で活写。リチャード・パワーズも絶賛した傑作長篇。

著者について

アシア・ジェバール Assia Djebar

イスラーム圏を代表する作家・映像作家。
本名ファーティマ=ゾフラー・イマライェーヌ。
1936年フランス植民地支配下のアルジェリア・シェルシェルに生まれる。当時のアルジェリア女性のなかで例外的に高等教育を受け、1955年フランス・セーヴルの女子高等師範学校にアルジェリア女性としてはじめて入学。1956年、独立を要求する在仏アルジェリア人学生の授業ボイコットに賛同し、試験を放棄。
同年、20歳のときにアシア・ジェバールの筆名で小説『乾き』を発表、「アルジェリアのサガン」といわれる。
FLN(アルジェリア民族解放戦線)支援の記者、モロッコ・ラバト大学の歴史学助手を経て、アルジェリア独立時の1962年からアルジェ大学で歴史学を講じる。以降、パリとアルジェに在住。
1997年からアメリカに居を移し、ニューヨーク大学フランス語科教授。2005年、北アフリカの作家としてはじめてアカデミー・フランセーズの会員に選出され、大きな話題を集めた。幾度もノーベル賞候補として名が挙がっている。
代表的な小説に『乾き』(1957)、『うぶなヒバリたち』(1967)、『居室のなかのアルジェの女たち』(1980)、『愛、ファンタジア』(1985)、『アルジェリアの白』(1996)、批評作品に『私を包囲する声』(1999)、映画作品に『シェヌーワ山の女たちのヌーバ』(1978、ヴェネツィア映画祭国際批評賞)など多数。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ジェバール,アシア
イスラーム圏を代表する作家・映像作家。本名ファーティマ=ゾフラー・イマライェーヌ。1936年フランス植民地支配下のアルジェリア・シェルシェルに生まれる。当時のアルジェリア女性のなかで例外的に高等教育を受け、1955年フランス・セーヴルの女子高等師範学校にアルジェリア女性としてはじめて入学。1956年、独立を要求する在仏アルジェリア人学生の授業ボイコットに賛同し、試験を放棄。同年、20歳のときにアシア・ジェバールの筆名で小説『乾き』を発表、「アルジェリアのサガン」といわれる

石川/清子
千葉県に生まれる。ニューヨーク市立大学大学院仏語仏文学Ph.D取得。
静岡文化芸術大学名誉教授。フランス近現代文学、フランス語圏文学専攻。
 
  • 出版社 : みすず書房 (2011/3/23)
  • 発売日 : 2011/3/23
  • 言語 : 日本語
  • 単行本 : 360ページ

https://www.amazon.co.jp/%E6%84%9B%E3%80%81%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%A2-%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/4622075954

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