日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

いのちドラマチック「コーヒー 人類を操った香り」

2011-12-17 07:23:02 | 趣味
 番組内容の紹介文より;
「複雑な味や香りをもつコーヒーだが、そのほとんどは同じアラビカ種だ。育てる環境によって含まれる成分が変化し、異なる香りが生まれるのだ。例えば同じハワイ島にも2つのブランドが存在する。コーヒーが、さまざまな成分を含むのは、種子であるため、子孫を残すために栄養が豊富なのだ。その種子に火を通せば複雑な香りを放つが、子孫を残すことはできなくなる。それでも世界各地で栽培され、大繁栄を遂げたコーヒーのドラマ。」

 劇団ひとりさんと生物学者の福岡伸一先生の番組で、コーヒーが取り上げられました。
 この「いのちドラマチック」は、今までにない福岡先生の斬新な視点で語られる、私のお気に入りの番組です。
 今回も楽しみにして、いざ視聴。

 コーヒーとは、その実を食べるのではなく、種をフライパンの上で火で褐色になるまで炙り、それを粉にしたものにお湯を通して抽出された液体を飲む嗜好品です。

 このような飲み方をするモノは他にあるのかな?
 お茶・紅茶は葉っぱだし。
 ココアは・・・Wikipediaによると「ココア飲料はカカオ豆を発酵・焙煎させた後、種皮と胚芽を取り除いてすり潰したカカオマスやカカオマスを脱脂して得られるココアパウダーに湯・砂糖・牛乳などを加えて作る」らしいのでちょっと近い。

 ひとりさんが赤い実を食べると、思いの外甘くておいしい、でもタネをそのままかじるとペッペッと吐き出したくなるほど不味いとコメントしていました。実際に焙煎して数十分、おなじみの褐色調になって初めて、得も言われぬよいコーヒーの香りが漂ってきます。
 また福岡先生からは「種を飲食することにより外国へ持ち出されるのを防ぐ効用もあった」という戦略上の理由もありました。

 番組の中で、ハワイ島のコーヒーが2つ紹介されました。
 一つは有名な「ハワイコナ」。酸味に特徴がある高級豆です。
 もう一つは知る人ぞ知る「カウコーヒー」(私は知りませんでした)。
 別の地域とはいえ所詮小さな島の中、味はそれほど変わらないだろうと思いきや、かなり違うらしい。
 その理由は「気候」。
 カウコーヒーの方が偏西風の影響で寒冷なため収穫までに時間がかかり、タネに糖質などの栄養分が凝縮するので甘くてフルーティーとのこと。

 なるほど。

 世界にコーヒーのブランドは1000以上あるけれど、その開発の方向は「生産性の向上」がメインで「味」へのこだわりは二の次になっている現状も報告されました。
 なんでも、味はオリジナル品種が最高と信じられているそうなので。
 「開発義務を怠っているんじゃないの?」とはひとりさんの弁。

 コーヒー関係の本を読んでいるとき、「ストレートで飲むのは日本人くらいで、世界ではミルクを入れて飲むのがふつう」という文章を目にしました。さらに「数年寝かせたオールドコーヒーは欧米人からみると『腐った豆』と言われる」ほど。
 苦味・酸味・コクなどにこだわるのは日本人の習慣なのかもしれません。
 ここでも「日本の常識、世界の非常識」?


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