2008年発行、日経プレミアシリーズ。
ご存じ、プロスキーヤー&冒険家の三浦雄一郎さんのエッセイ集です。
この本を読むきっかけは、某TV番組で三浦さんが私と同じ不整脈という病気を抱えている事実を知ったこと。
私が発作の不安に萎縮して生活している時、三浦さんはなんと75歳という年齢でエベレスト盗聴に成功したのでした。その勇気にあやかりたい・・・と考え手にとった次第です。
彼の破天荒な人生がぎゅっと詰まったエッセイ集でした。
社会の組織に収まらず(はみ出した?)、我が道を行く三浦さん。
学校という枠さえ嫌で、自然の中で駆け回る事の方が大好きだった少年時代。
大人になって成し遂げた冒険スキーの数々。
一言で云えば誰もマネができない”武勇伝”ですね。
70歳と75歳でエベレスト登頂を果たした偉業は言わずもがなですが、それより驚いたのは1970年のスキーによるエベレスト滑降。高度差1000m、平均斜度45度(!?)を滑り降りたというのですから命知らずにも程があります。ふつう、斜度30度でも直角に降りるような感触出るから、45度って・・・真下に落ちていく感じ?
それから、青森県に住んでいた頃のエピソードも楽しく読ませていただきました。
青森市と弘前市の学生の気質の違い(港町のやんちゃとおっとり気質)、酸ヶ湯温泉の混浴風呂などなど。
気になった病気の記述を抜き出しておきます。
■ (75歳のエベレストチャレンジの際)・・・高度4000mあたりでは心臓の不整脈や高山病でひどい目にあったが、上に行くほど不思議に元気になった・・・僕は6000mで心房細動が慢性化し、もはや薬物治療では対応できず、7000mで断念した。
2人の主治医の意見は「心臓に不整脈があっても血液凝固を防ぐワーファリンとバイアスピリンを服用すれば運動も可能だ」ただし、ヒマラヤのような高所に登るという例は今までない。
一方、別の専門医には「もう山登りもスキーもやめなさい。そうすれば長生きできる。三浦さん、心房細動の手術をしても治る可能性は少ない」と引退を勧められた。
■ (土浦協同病院でのカテーテル・アブレーションについて)2006年12月、手術を行った。心臓に特殊なカテーテルを入れて高周波を流し、カテーテル先端の温度をコントロールして心臓内の電気が漏電している場所を見つけて、いわゆる”低温やけど”をつくることにより不整脈を根治する、という説明を受けた。
普通はカテーテルと心臓との接触温度は50~70℃で焼いている。ところが「土浦方式」は48~55℃で焼く。48℃というのは人間の筋肉のタンパク質がちょうど変性するかしないかのところで、うまくいくと心臓の周りにある肺や食道にやけどの傷を全くつけることなく間然し漏電箇所から絶縁することができる。ただし、完全にタンパク質が変性しないとまた心臓に電気が漏れ出すという。
術後の経過が好調であった2007年4月、自信を持ってヒマラヤのアイランドピークに遠征した。しかし、4000m付近で突然不整脈が始まった。
1回手術しても、まだいくつか心臓内に漏電している。しかし、ドクターには「やっぱりあそこに残っていた。ここもだ。」と問題の部分がわかる。心房細動に関係する電気の漏電部位を見つけて、その部分にだけ電気を流せば心房細動は根治できる。二度目は同然やるものだと先生方も言う(2007年6月再手術)。
・・・その後もトレーニング中に不整脈が出ており、結局2回手術しても心房細動は消えなかったようですね。でも、「不整脈もなんのその」という不屈の精神には頭が下がります。
一つ難を言わせてもらえば「文章がわかりにくい」。
主語が省略されており、かつ場面や人物がいつの間にか入れ替わるので、話が見えない。特に前半は三浦さん本人とお父さんとおじさんと息子のエピソードが入れ替わり立ち替わり出てくるので混乱しました。
まあ、物書きではないからこんなものですか・・・。
ご存じ、プロスキーヤー&冒険家の三浦雄一郎さんのエッセイ集です。
この本を読むきっかけは、某TV番組で三浦さんが私と同じ不整脈という病気を抱えている事実を知ったこと。
私が発作の不安に萎縮して生活している時、三浦さんはなんと75歳という年齢でエベレスト盗聴に成功したのでした。その勇気にあやかりたい・・・と考え手にとった次第です。
彼の破天荒な人生がぎゅっと詰まったエッセイ集でした。
社会の組織に収まらず(はみ出した?)、我が道を行く三浦さん。
学校という枠さえ嫌で、自然の中で駆け回る事の方が大好きだった少年時代。
大人になって成し遂げた冒険スキーの数々。
一言で云えば誰もマネができない”武勇伝”ですね。
70歳と75歳でエベレスト登頂を果たした偉業は言わずもがなですが、それより驚いたのは1970年のスキーによるエベレスト滑降。高度差1000m、平均斜度45度(!?)を滑り降りたというのですから命知らずにも程があります。ふつう、斜度30度でも直角に降りるような感触出るから、45度って・・・真下に落ちていく感じ?
それから、青森県に住んでいた頃のエピソードも楽しく読ませていただきました。
青森市と弘前市の学生の気質の違い(港町のやんちゃとおっとり気質)、酸ヶ湯温泉の混浴風呂などなど。
気になった病気の記述を抜き出しておきます。
■ (75歳のエベレストチャレンジの際)・・・高度4000mあたりでは心臓の不整脈や高山病でひどい目にあったが、上に行くほど不思議に元気になった・・・僕は6000mで心房細動が慢性化し、もはや薬物治療では対応できず、7000mで断念した。
2人の主治医の意見は「心臓に不整脈があっても血液凝固を防ぐワーファリンとバイアスピリンを服用すれば運動も可能だ」ただし、ヒマラヤのような高所に登るという例は今までない。
一方、別の専門医には「もう山登りもスキーもやめなさい。そうすれば長生きできる。三浦さん、心房細動の手術をしても治る可能性は少ない」と引退を勧められた。
■ (土浦協同病院でのカテーテル・アブレーションについて)2006年12月、手術を行った。心臓に特殊なカテーテルを入れて高周波を流し、カテーテル先端の温度をコントロールして心臓内の電気が漏電している場所を見つけて、いわゆる”低温やけど”をつくることにより不整脈を根治する、という説明を受けた。
普通はカテーテルと心臓との接触温度は50~70℃で焼いている。ところが「土浦方式」は48~55℃で焼く。48℃というのは人間の筋肉のタンパク質がちょうど変性するかしないかのところで、うまくいくと心臓の周りにある肺や食道にやけどの傷を全くつけることなく間然し漏電箇所から絶縁することができる。ただし、完全にタンパク質が変性しないとまた心臓に電気が漏れ出すという。
術後の経過が好調であった2007年4月、自信を持ってヒマラヤのアイランドピークに遠征した。しかし、4000m付近で突然不整脈が始まった。
1回手術しても、まだいくつか心臓内に漏電している。しかし、ドクターには「やっぱりあそこに残っていた。ここもだ。」と問題の部分がわかる。心房細動に関係する電気の漏電部位を見つけて、その部分にだけ電気を流せば心房細動は根治できる。二度目は同然やるものだと先生方も言う(2007年6月再手術)。
・・・その後もトレーニング中に不整脈が出ており、結局2回手術しても心房細動は消えなかったようですね。でも、「不整脈もなんのその」という不屈の精神には頭が下がります。
一つ難を言わせてもらえば「文章がわかりにくい」。
主語が省略されており、かつ場面や人物がいつの間にか入れ替わるので、話が見えない。特に前半は三浦さん本人とお父さんとおじさんと息子のエピソードが入れ替わり立ち替わり出てくるので混乱しました。
まあ、物書きではないからこんなものですか・・・。