日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

「時計屋の娘」

2014-01-13 07:08:12 | 趣味
 2013年11月にTBS系で放映されたTVドラマです。

★ ドラマ特別企画『時計屋の娘』| TBSテレビ

 ストーリーはたいしたことなく、つまらなかったら止めようと見はじめたところ、ついつい最後まで見てしまいました。

 昭和を思い出させる町の古い時計屋の佇まいに惹かれたのでした。
 木造の建物、ガラスのケースにうやうやしく並べられた時計達、その奥には修理工房・・・。
 使い捨てのデジタルウォッチではなく、手巻き/自動巻の機械式時計を販売し、その修理で経営が成り立っていた時代の時計屋さんです。
 ああ、落ち着く空間だなあ。

 主演の宮原涼を演ずる沢尻エリカが、アンティーク・ウォッチの修理を依頼するところからストーリーが始まります。
 それはLONGINESの金無垢時計。
 デザインからすると1940~1950年代の逸品と思われます。
 控えめなスモールセコンドが好ましい。
 ネットで探すと似たデザインの時計が見つかりました;





 LONGINESという時計ブランドは現在もありますが、超一流とは言えず、1.5流程度でしょうか。
 しかし1950年前後は間違いなくトップクラスのムーブメントを作っていたと時計誌の座談会記事で読んだことがあります。
 この頃の時計は「ロービート」といって、ムーブメントのテンプの動きが1秒間に8回以下と、それ以降の「ハイビート」よりゆっくり。
 その音を耳元で聞くと、人間の心臓の鼓動とリンクするようなリズムに和みます。

ロービート?ハイビート?(時計屋さんのブログ)

 それから、このドラマのもう一つのキーワードは「ケヤキの大木」。
 デートに待ち合わせた公園にあり、時計屋さんの近くの公園にあり、石巻の公園にあり、・・・各場面で登場するのです。
 巨樹フリークの私にはたまりません。
 
 ドラマの中で「ケヤキは大切に育てると800年生きる」と説明されていました。
 私の住んでいる地域にも、探すと樹齢600年、700年のケヤキが数本見つかります。
 ただ、それらの樹木が、気がつくと伐採されてしまうことも目にします。
 台風で倒れたら危険だとか、電線に引っかかりそうだからとか、ドラマのように新建築物の邪魔だとか・・・結局人間の都合。
 江戸時代前の室町時代/戦国時代から人々の営みを見守ってきた存在を、そう簡単に消し去ってよいものでしょうか?
 
 私がショックを受けたのは、隣町の神社にあった樹高40m級のケヤキの巨樹。
 ほうき型の枝分かれがふつうのケヤキにしては、主幹がすっくと伸びる美しい樹影は類を見ません。
 下から見上げると「ジャックと豆の木」の伝説が生まれたのも頷けるような気がしてきました。

佐野市「浅田神社のケヤキ」(樹齢不明、幹周5.7m、樹高38m)

 未だに残念でなりません。

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