廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

雨の最終打席

2022-06-22 22:22:22 | Weblog
 昨日、5月31日は朝から雨だった。 天気は悪かったが私はそれでも町内のバッティングセンターへ行った。 昨日が最後の営業日だったからだ。 私はここのバッティングセンターが好きだった。 家に近い事もあるが、それよりも1プレー(30球)で200円と安かったのが大きい。 最近のバッティングセンターはピッチャーの映像に合わせてボールが飛んで来るタイプが主流で、気分が出て面白いのは良いが、料金は1プレー(20球)で300円が相場なので気軽には来られないのだ。 ここのバッティングセンターも新しい機械を入れたかったかも知れないが個人経営なので余裕が無く、管理人のおっちゃんも歳なので閉鎖を決断したのだろう、残念だが仕方が無い...


 ここの閉鎖が発表されてから一ヶ月、私は毎日の様に来ていたのだが、他の客を観察している内に気が付いた事。 それは、特に子供から中高生くらいの男の子で自前のバットを持ち込んで来ている子が多い事と、父親が息子を連れて来ている(打つのはもっぱら息子)ケースが多い事だ。 そう言えばイチロー選手(マリナーズ)は子供の頃、お父さんとバッティングセンターによく行って練習したとどこかで聞いた事がある。 この子達も将来のプロ野球選手を夢見ているのか? しかし明日からはどこで練習するのだろうか...? 学校のクラブ活動やリトル(シニア)リーグの練習では足りないので来ていたのだろうに...


 以前、広島市の中心部に『広島アリーナ』と言う古いスケートリンクがあった。 街の中心部にあるのでリンクも狭く、駐車場も無く、施設も古かったが、それでもここは一年中氷を張っている”通年リンク”だったのでフィギュアスケートをやっている選手達には便利なスケート場だった。 しかし、広島市が郊外に巨大なスケート場(区のスポーツセンターの一施設)を造った為に客を奪われて閉鎖に追い込まれた。 ここのスケートリンクは確かに広く、駐車場も完備されていて便利だが、しかしここは夏にはプールとして利用される。 フィギュアスケートをやっている選手達は冬しか練習できなくて困ると県のスケート協会が市に訴えたが相手にされず、フィギュアスケートをやっている選手達は今、他県まで行って練習したり、ローラースケートで練習したりしているらしい。 確かにたまに冬のレジャーとしてスケートをする程度の一般の人には”広く、駐車場も完備されていて便利”なスケートリンクの方がありがたいのだろう。 でもこれでいいのか...


 日本の税法は累進課税方式なのでプロ野球選手が年間何億円もの給料をもらってもかなりの部分を税金で持って行かれる。 だから節税の為に個人の事務所とか会社、店などを経営している事が多い。 イチロー選手は故郷に『イチロー記念館』なるものを運営しているそうだが、そんな物に金を使うくらいなら是非バッティングセンターを造ってもらえないだろうか? 料金は採算が取れる程度に安くして。 かつてのイチロー選手みたいにプロ野球選手を夢見る子を育成する貴重なインフラストラクチャー(社会的基盤)となると思います。 何も慈善事業だけが社会に貢献する手段では無いと私は思うのですが...


 近々、2000本安打を達成する清原選手(ジャイアンツ)も故郷の大阪府岸和田市に『清原和博バッティングセンター』を造ってはいかがでしょうか? 建物の壁に清原選手の大きなイラストを描いたりして。 個人経営でしょっちゅう来る子にはちょっとサービスしたりして。 清原選手は既に”故郷の英雄”だとは思いますが、こんな形でも故郷の野球少年に還元するのも面白いのではないかと思います。 2000本安打達成の記念にどうでしょうか?


 雨の中、私は最後の打席に立つ。 最後もいつもと同じ90キロの左専用ケージだ。 調子の方はまあまあだったけど、一ヶ月通って少しは上達したかも。 ありがとう、私の町のバッティングセンター... 私は長い間お世話になったピッチングマシーンのお辞儀をしてケージを出た。 他の客の視線が痛いので早い事バッティングセンターを出るとしよう...

 ...以上です。(2004年6月1日分、蔵出し)
コメント
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