”町衆パワー”とイベント

　広島市内中心部では三越の南裏手に在る胡子神社で商売繁盛を祈願するお祭りの『胡子大祭』が始まりました。　もっとも今年はコロナウイルス感染対策により開催規模を大幅に縮小し、神社内での祈祷のみで縁起物の熊手もオンライン販売になったそうで”大祭”とは呼べなくなった上に商売人を除いては縁の無いイベントになっています。　一応、周囲の商店街で協賛セールとかやってはいるそうですが盛り上がりには．．．　元々が冬物のそれが始まる前のフライングセールみたいな格好になっていましたし。　皮肉にも規模が縮小して見ると江戸時代から”広島三大祭り”（胡子大祭・とうかさん・住吉神社の夏大祭）として盛り上がっている巨大イベントの最初の姿はこんな形なのかと思いました。　神社側から熊手の販売を委託された？いわゆる的屋さん達が商売仲間も呼び込んで神社の周りに多数の露店が立つ様になり、そこから更に周囲の商店街や行政まで巻き込んで拡大し歩行者天国とかも始まって。

平日の胡子大祭

　去年の記事によると広島三大祭りの一つ（とうかさん・住吉神社の祭り）である秋の胡子大祭は１８日（日）～２０日（火）だったのですね。　今年は１８日が月曜日になったので全て平日になって......

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　広島では民間から始まったイベントが次第に周囲を巻き込んで巨大イベントになるケースが多く、先程の『とうかさん』も街中に在る円隆寺の夏祭りが広島地区の浴衣着始めの祭りとして寺の周囲に露店が並んだところから更に発展して行政も巻き込み歩行者天国が始まり、更に中心部商業振興連盟などが同じ日に関連イベントの『ゆかたで来ん祭』を始めたりして規模が拡大（そう言えば旧市民球場を利用して祭りを紙屋町地区まで拡大しようとして失敗した事はあったそうだが）したりと。　あのフラワーフェスティバルも元はと言えばカープ初優勝の記念パレードを再現しよう、から始まって平和大通りに露店が並ぶようになり、そして行政なども巻き込んで広島市内の各地に会場が拡大して．．．と。

　広島市内中心部の袋町公園で数年前から春と秋に開催されて来た『トランクマーケット』（蚤の市と言う意味らしい）も開催を重ねる毎に盛り上がりを増して来て一昨年くらいからは来場者が公園に入り切れない程の人気となって去年は同じ日にパルコと隣接の広場・アリスガーデンそれに金座街商店街などでファッションショー的なイベントが行われ、更に近くの並木通り商店街でアートマルシェも行われトランクマーケット来場者の”回遊”にも繋がったと思われ、今年から胡子大祭・とうかさん・フラワーフェスティバルの様な街中を広範囲に巻き込むイベントに成長する段階に入ったと思った矢先のコロナウイルス感染問題で春も秋も中止になって残念です。　来年なのですがコロナ問題が終息している事を前提に平和大通りで開催されている『ひろしまドリミネーション』今は胡子大祭に開幕を合わせていると思うのですが、それを早めてトランクマーケットの開催される週末から始めれば基本、昼間に行われるトランクマーケットと関連イベントの来場者を飲食店などで夜まで引き留める効果があると思いますし。　今年はコロナ問題でドリミネーションも会期を短縮してますし閉幕は今年と同じにしてでも。

　イベントと言えば市民球場跡地で去年まで約１０年間行われて来た主にグルメやビールなどのイベントがありました。　去年の秋から今年の全国都市緑化フェアの準備期間と称して他のイベントは行われず、それまでこの場所でイベントを行って来た地元テレビ局は別の場所に会場を移し、そして何故か中国新聞は別の会場を使わずイベントをやらなくなりましたね。　社会実験として土地の利用は無料だが新聞社やテレビ局と組んで”非営利の文化事業”の体裁を取らないといけないと言う仕組みに依存してたのか．．．　それはともかくとしてこの場所でのイベントが周囲の街中への波及効果が弱過ぎる事が。

　市民球場跡地で一昨年まで秋に行われて来たオクトーバーフェストも最初の頃は地元の飲食店とかと連携して会場の入り口で広島でドイツビールが飲める店の紹介とかしていたのですが気が付くとそう言うのは無くなり、恐らく地元の飲食店業界とかは関われなくなり主催者（地元では無い）と共催の広島テレビだけでやる様になったのでは。　市民球場跡地でのイベント開催はあくまでカープの試合の代わりになる集客力で街中に活気をと言う建前だった筈だが実際は周囲を巻き込む仕掛けも何も無く”ただ大勢の人が集まっただけ”となり無料駐車場を持つ郊外型商業施設に買い物・飲食・娯楽の需要を奪われ衰退し市民球場跡地も普段は人の姿も少ない空間となってイベント広場としても立地条件が悪くなってサッカー場建設地の問題も片付いた今後の活用にも。　サッカー場が出来るまでまだ４年もある。

　．．．以上です。