小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

ヒトラー2

2014-02-04 23:02:15 | Weblog
ヒトラーが、独裁者である、とか、ユダヤ人をホロコーストで500万人も殺した、という事実だけをもって、ヒトラーを悪魔のように言う人は、歴史から何一つをも学んでいない人である。

もちろん私はヒトラーを肯定する者ではない。

第一次世界大戦が起こったのは、1914年であるから、今から、ちょうど百年前である。

世界史を見ればわかるが、ポルトガル→スペイン→イギリスと、ヨーロッパがアジアを植民地にすることは、ヨーロッパにとって当然のことだった。

日本にせよ、ペリーの黒船による開国の要求、日米修好通商条約、三国干渉、ABCD包囲網、など、全て武力による恫喝であり、暴力である。

第一次世界大戦で負けたドイツに、連合国がつきつけたベルサイユ条約など、ひどいものである。これも戦勝国の一方的な暴力である。

ドイツでは、失業者が数100万人出て、高く積み上げた札束が紙クズ同然となるほどのインフレが起こった。この状態から、どうやって経済を立て直すことが出来るというのだ。他国はブロック経済で経済を乗り越えようとしたが、ドイツは植民地もとられて、それも出来なかった。

ヒトラーは公共事業によってドイツの失業者を激減させた。軍需産業も失業者に職を与えた。敗戦国ドイツが経済的に立ち直るのに、戦争による方法以外、どんな方法があった、というのだろう。

日本もドイツと似ている。

ただ、有利な戦況の時に、有利な条件で停戦していれば、よかったのだが。ちようど豊臣秀吉のように、あるいは、チンギス・ハンのように、なりあがりから天下までとってしまうと、自分は、特別な人間だ、天才だ、負けるはずはない、オレなら世界を征服できる、と思い上がってしまう心理が働いてしまうのである。そして、結局、その思い上がりによって、滅ぼされてしまう。

世界史の歴史は、ほとんど全て、そうである。

戦争を無条件に悪い、と言う人も極めて頭が悪いと思う。第二次世界大戦後の平和ボケした人だろう。世界史を見てみたまえ。平和をかかげる国、他国を侵略しない方針の国、に他国は干渉しなかっただろうか。その正反対である。何もしない国は、他国の侵略の格好の餌食であり、実際、他国は中立国を武力で制圧し、略奪、虐殺、征服、支配、の限りを尽くしてきた。

こうなると韓非子の人間、性悪説が正しいというより、仕方がない。

というよりも、世界史は、権力志向の人間、国家(権力者)の記述がほとんどだから、人間が悪く見えてしまうのだが、大多数の一般国民、科学者、芸術家、などは権力欲が無いから、あながち人間の性が悪であるとも言えない。

現代でも、武力による戦争は、おさまっているが、外交は実質的に、というか、武器を使わない戦争である。

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侏儒の言葉

2014-02-04 22:07:40 | Weblog
私は、芥川龍之介の「侏儒の言葉」を、よく引用しているが。それは、芥川の「侏儒の言葉」に影響されたわけではない。否、私は、いかなる思想にも影響されていない。

私は無名であり、私には、文学者とか思想家とかの権威がないから、私の発言の正否を裏づけるために、芥川龍之介の「侏儒の言葉」をつけたしているのに過ぎない。

逆に権威のある人の発言は、愚民は無条件にそれを受け入れてしまうのである。三島由紀夫には文学者としての権威があるから、氏の発言や思想は、そのいい例である。しかし、氏の思想は、論理的というより、氏の好み、男の意地、など感情的で非論理的なものの方が多いのである。だから、私は、三島由紀夫の発言は引用しないのである。

芥川龍之介の「侏儒の言葉」は、おそらく、芥川が、子供の頃、愛読したニーチェの「ツァラトストラはかく語りき」をヒントにして書いたものだろう。が、これは正鵠を得ていて、引用するのに非常に便利なのである。

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