僕は北朝鮮に拉致されたかった。
そして。
北朝鮮に拉致された人々がうらやましい。
北朝鮮に拉致された日本人は、北朝鮮で、日本語教師として、丁重にもてなされたのである。
(北朝鮮に拉致された日本人は、ナチスのアウシュビッツのような、寒い強制収容所に入れられて、貧しい食料で、過酷な労働を強いられたのではない)
北朝鮮に拉致された日本人は、北朝鮮で、日本語教師として、丁重にもてなされたのである。
北朝鮮にとっては、拉致した人は、日本語教師として、大切な人材だったから、居、食、住、十分に、てあつい待遇を受けていた。
政府に、逆らったり、日本に帰りたいと言ったり、拉致の不条理に抗議して、日本語教師の仕事をボイコットしなければ、生活は優遇されていたのだ。
日本語教師なんて、日本人なら、誰でも出来る。
知っていることを、教えるだけだから、苦労もいらない。
(そもそも教師なんて、楽な仕事だ)
それに比べると、医者なんて、ストレスのかかる仕事だ。
医学部に入るまでの受験勉強も、しんどいし、医学部に入ってからも、学ぶ量は膨大だし、医者になってからも、医者は、責任も重いし、ストレスのかかる仕事だ。
それに比べると、北朝鮮に拉致されて、楽な、日本語教師の仕事をして、居、食、住、も、手厚く保障されるんなら、当然、拉致されたい。
別に、日本に帰りたいとも、思わない。
僕の、父親も、母親も、わがままな暴君で、僕は、親の虐待に耐えられず、何百回も、自殺を本気で考えた。
病気になって、医者にかかって、治療を受けたいと言っても、親は、叱りつけ、許してくれない。
北朝鮮に、日本語教師として、拉致された、日本人は、そこまで、酷いことは、されなかっただろう。
病気になって、治療を受けたいと言えは、治療を受けさせてもらえただろう。
北朝鮮の方が、はるかに人道的である。(拉致被害者に対してだけは)
僕は、あやうく親に殺されるところだった。
日本語教師なんて、仕事も、楽だから、余暇に、小説を書く時間も、もてるだろう。
拉致された人は、北朝鮮で、好待遇だったから、書いた小説を、出版してもらえたかもしれない。
☆
実際、帰国した拉致被害者たちは、みな、精神も肉体も健康で、病院に入院する必要も全くない健康体で、また、北朝鮮で、つらい思いをした、なんて不満を言ってる人は一人もいない。
ただ、帰国できたなつかしさに喜んでいるだけである。