地震津浪乃記第十七頁(上の写真の五行目六行目)
解読 竹木竹藪ホ皆枯連る。但し松桃桜油木の類ハ不枯。松杉桧
小木ハ皆枯る。のミ水ハ当分上ミ川より汲ミ用う。
読み方 竹木、竹藪等皆枯れる。但し松桃桜油木の類は枯れず。松杉桧
小木は皆枯れる。飲み水は当分上み川より汲み用う。
解説 悩ましい文字が二つ出て来ました。一つ目は最初の字、先生は「竹木」と読みましたが、串本町史では一文字の「柴」と読んでいます。「竹」ですと、すぐ下の「竹藪」の竹と形が違いますし、「柴」が正しいのかなと言う感じがします。 二つ目は「松・桃・桜」の「桃」ですが、先生は「桃」と読みましたが、町史では「柑」と読んでいます。「柑」は蜜柑の仲間で当地には多いし、桃の木はあまり見かけません。木の油も「柑」の方が多い様な気がします。書いた人の癖により、解釈の分かれる文字が時々あります。 「枯連る」・・・「連」は変体仮名の「れ」。 「不枯」・・・枯れず。 「杉」は木偏に「久」と書いています。俗字という分類になります。 「用う」・・・「用」の左の垂れを省略した崩しです。