古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十章 地震・津浪乃記・その八十九

2012年04月24日 06時37分59秒 | 古文書の初歩

 

 

 

地震津浪乃記第二十二ページ、上の写真の5行目六行目

解読 なる。然トモ其上に大地有るを以て其坑力を逞する事

    能わず。是を以て遂に其近地に地震を発す。但し

読み なる。然れども其の上に大地有るを以て其の坑力を逞しうする事、能わず。是を以て遂に其の近地に地震を発す。但し

解説 「然トモ」・・・然れども。然しながら。「然」の下のモの左に縦棒が有ります。「トモ」の合成字です。 「坑力」・・・地下の坑道『火脈』に溜まった熱と力。火脈とは、今で言えば「マグマ」の事でしょうか。 「逞する」・・・更に強くする。右横に「タクマシウ」と振り仮名が有ります。 「事」は異体字で「古」の下に「又」と書いています。「能わず」・・・「あたわず」。出来ない。「わ」は「王」、「す」は「春」の変体仮名。 「近地に」・・・近くに。 文意・・・地下の伏道に溜まった灼熱の熱気『マグマ』が、上に大地が有って押さえつけられて、出る所が無く、溜まったマグマが、行き所がなくなり、最後に其の近くに一気に地震を起こすのである。 

当時は、海溝型『プレート境界型』地震や直下型断層地震の知識は無く、地震と言えば「火山性地震」しかなかったのだと考えられます。