地震津浪乃記第二十ページ(上の写真の五行目六行目)
解読 火脈は地下に有るを以て其数を詳にすべからずと雖モ地
震の連感又ハ火坑の位置を以て推知すべし。今
読み 火脈は地下に有るを以て其の数を詳らかにすべからずと雖も
地震の連感又は火坑の位置を以て推知すべし。今
解説 本行からは、坤輿図識補の説になります。 「火脈」・・・火山帯の事と推定されます。 「火脈盤」・・・火脈は。「盤」は「は」の変体仮名。この「は」は「盤」としましたが、「者」の崩しとよく似ているので迷うところですが、「盤」に近いかなと言うところです。 「地下尓」・・・地下に。「尓」は変体仮名の「に」。 「有るを以て」・・・地下に有るので。 「詳に」・・・つまびらかに。詳しく。『くわしく』。「尓」は先ほどの「尓」と同じですが、崩し方が違いますので注意。 「すべからず」・・・する事が出来ない。 「雖モ」・・・口の下に虫と書いて「いえども」と読ましていますが、簡略文字です。 「地震の連感」・・・よく分かりませんが、連なった感じの事か。 「火坑」・・・地中の火の通り穴。 「推知すべし」・・・推し量りなさい。 「すべし」・・・「遍」は「へ」の変体仮名です。 「文意」 火山脈は地中にあるので、いくつ有るか明らかに出来ないが、地震の連なり感や火の通り道の位置で推し量りなさい。 ここの「火坑」とは火の通り道ではなく、火山の噴火口の事ではないかと思われます。