古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十章 地震・津浪乃記・その六十九

2012年04月05日 07時40分53秒 | 古文書の初歩

 

 

 

地震津浪乃記第十七頁(上の写真の七行目八行目)

解読 地震の寅年中春以来諸漁事諸国一等尓皆無也。前代未聞

 ト云遍し。地震後も同様也。是ハ地気吹出春故奈る遍しと云。

読み方 地震の寅年中、春以来諸漁事諸国一等に皆無也前代未聞

と言うべし。地震後も同様也。是は地気吹き出す故なるべしと言う

解説 右に小さい字で「地震の」と添え書きがあります。 「寅年中」・・・嘉永七年=安政元年のこと。その年じゅう。 「春」は変体仮名の「す」と同じですが、この場合は本来の「春夏秋冬」の漢字の「春」。 「諸漁事」・・・漁業全般。 「諸国一等」・・・日本全国同等に。 「尓」は変体仮名の「に」。 「皆無也」・・・「ニ」の様な字が「也」です。 「前代未聞」・・・「前の代から未だ聞かざる」。聞いた事が無い。 「云遍し」・・・云うべし。「遍」は変体仮名で「へ」。言う事が出来る。  「地気吹き出春」・・・「春」は変体仮名の「す」。地球の中から烈気が吹き出すので、魚も逃げて姿を見せない。 「故」・・・この崩しも覚えましょう。良く出る文字です。 「奈」は変体仮名「な」。 「故なるべし」・・・「吹き出すからである」。