かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞 53

2020-09-21 20:50:10 | 短歌の鑑賞
     ブログ版 清見糺の歌  8(修二会)   鹿取 未放


53 胎内に子守唄など聞くようにうずくまり聞く修二会声明(95/7)
                 「かりん〉95年7月号

 「修二会」一連は作者の自信作だった。第二歌集のメインに据える歌群だと言っていた。一連は敬虔な真情が簡潔に詠われていて力がある。
 ここでうたっている「修二会」は、東大寺二月堂のもので、いわゆるお水取りのことで3月1日から14日までの2週間行われる。寒くて暗い場所でうずくまって声明を聴いている姿勢が胎内の感覚を導いたのだろう。未生以前の懐かしい記憶。ちなみに作者がいるのは「内陣」と呼ばれる女人禁制の場所である。(鹿取)


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