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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  8

2020-05-25 18:32:46 | 短歌の鑑賞
ブログ版清見糺鑑賞 2  ゆるふん  
                   かりん鎌倉支部  鹿取未放     


8 龍燈鬼上目づかいの腕組みの〈ゆるふん〉にして意気壮んなり
                         「かりん」94年5月

 龍燈鬼像は奈良東大寺戒壇院にある鎌倉時代の木造で康弁作と伝えられる国宝。本来は四天王に踏みつけられていた鬼が、ここでは独立して仏前を照らす龍燈を掲げている。写真を見ると一目瞭然なのだが、「上目づかいの腕組みの〈ゆるふん〉」という描写どおりのコミカルな像である。作者は奈良に行ってこの龍燈鬼を見ているのだろう、意気に燃えている鬼の愉快な姿を見ての楽しい気分が伝わってくる。
 ちなみにこの歌、東京歌会で提出したとき、年配の女性から〈ゆるふん〉というのは男性の性の旺盛さを示すのだという説が出されて居合わせた会員一やかに笑ったことであった。


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