かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 46

2023-05-21 10:40:53 | 短歌の鑑賞
 2023年版渡辺松男研究6(13年6月実施)
     『寒気氾濫』(1997年)橋として
      参加者:崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      司会と記録  鹿取未放
                   

46 土という滅びる巨人ほろびつつ樹根まるごと抱きて眠る

      (当日意見)
★土って地球じゃない。土で覆われているから。巨人ともいえるんじゃない。滅 
 びながらも樹根を抱いている。土の力、偉大さを歌っているのかな。(曽我)
★母なる大地とかいうとつまらなくなるけど、そういう土に対する親愛感なのか
 なあ。巨人というと曽我さんのように大きなスケールでイメージしますけど、
 「樹根まるごと抱きて眠る」はやはり母性を感じます。上句と下句で断絶があ
 りそうにみえて、「ほろびつつ」という視点でまとめている。「ほろびつつ」
 がいちばん言いたいことかなあと思います。(鹿取) 


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