期末テスト前

いつもは河童の部屋だけが、深夜まで灯りがついている。
そして両隣の、スポーツ系の学生さん達は
はやばやと10時には就寝だ。

だが昨日は違った。
河童の部屋が真っ暗で、両隣の灯りがついている。

おぉさすが期末テスト。
やっと勉強する気になったか・・
のども渇いただろう。
ミルクティーかなんかいれてやるか・・
と思いつつ、闘魂ちゃんの部屋をあけたら

がんがんに暖房つけて、真っ赤な顔で
しっかりベッドで寝ている姿、目に入る。


やっぱね。

勉強している風にセッティングして、就寝ね。
せめて、たった今まで勉強してました風に
机につっぷしてでもいてくれたら・・


次、宝物。
部屋をあけると、勉強している宝物の横で
監督官のように椅子にで～んと座り
マンガを読んでいる河童の姿が・・


間違ってるよなぁ。

宝物の実力テストがかえってきたが、
合計250点満点中、ナント合計82点だった。
合計が82点だと一科目平均何点なのか、計算したくもない。

ま、予測できる数字だが
河童がいたくこれに怒り
宝物の成績を私があげてみせると宣言した。

弟の勉強の計画表をつくり
お得意の「スローガン部屋中貼り作戦」にでた。

「今やらねば、いつやるんだ！！」とか
「まず復習！！」みたいなヤツ。


いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
間違ってるだろ。

お前、よくも宝物にそんな事ができるよな。

お前の中坊時代。
勉強しないわ。
塾にはいかないわ。
Ｈな雑誌を読んでるわ。

おまけに先生に対する態度に問題アリといわれて
私の頭にハゲができた事、じつに二回。

そんな問題アリアリな中坊だったお前が
私の最愛の、勉強はできないけど
そこにいるだけで可愛い
私の宝物を叱る資格はないよね。



とは思ったんだが。

あ～～～そう言えば、この間、河童に頼んだんだった。
宝物に勉強させるようにしてくれと。

もうお母さんは宝物の事が可愛すぎて
よぉ怒らんから。
勉強ができん事ぐらいで、宝物を叱りたくないからと
河童に頼んだんだったわ。


あ～そうやった。そうやった。


だが、河童よ。
宝物の成績があがったとしても
君の車の修理代には到底たらないかんね。

お母さんはきちっと払ってもらうからね。



だが、自分の事はさておき
他人を叱れるなんて
君はまさに先生向き。


本気で先生になったらどうや？