バルザックのゴリオ爺さんがたいそう面白かったので、もう一冊読んでみよう、と選んだのがこちらの本。
1803年、フランス第一共和制における執政時代が舞台です。1800年に起こった元老院議員誘拐事件をもとに書かれた小説です。
ゴリオ爺さんはすんなりとストーリーに入れたのですが、暗黒事件はその逆、なかなか入れません。最初の登場人物が先代、先々代からの説明でどれがなにやら混乱したのと、フランス人名がわかりにくいこと、さらに陰謀の意図がわからないことなので、何度も読み返しながらストーリーに入り込もうと苦労しました。
結局、フランスの共和制からナポレオンの帝政への過渡期の歴史を知らないとこの陰謀が理解できないので、前半は小説を読むのと、フランスの歴史を勉強するのと同じくらい時間が掛かりました^^;
後半になってやっとスリリングな展開が楽しめるようになりました。エピローグを読み終えると、頭の中はすっきり。ナポレオン、タレーラン、フーシェの関係もこの本を読み終えて知ることができました。
フランスの歴史についてはほとんど知らなかったのですが、フランス革命から第二共和制へと続く激動の歴史はいくつかの小説を読んで時代背景などの理解が進みました。
暗黒事件(バルザック) → 執政時代
ゴリオ爺さん(バルザック) → 復古王政
赤と黒(スタンダール) → 復古王政
戦争と平和(トルストイ) → 第一帝政(ナポレオンのロシア遠征)
葬送(平野啓一郎) → 七月王政
王政→共和政→帝政→王政→共和政と目まぐるしく変わるこの時代のフランスは興味深い、もっと理解を深めたいと感じている次第です。
こちら内容紹介。
作者プロフィール。
翻訳者プロフィール。
書誌情報。
フランスで発行されたのは1841年で、七月王政のときです。
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