『百年の孤独』を起点に、それにインスパイアされた作品を読み進めるうち、昔によく読んだ安部公房を再読するに至っているのですが、ここらへんで一度ガルシア=マルケスに戻ってみよう、と図書館で2冊借りてきました。
長編の『族長の秋』から読み始めたのですが、これがかなりの難書です。ガルシア=マルケス慣れしないと読みにくい一冊なので、『族長の秋』はのんびり読むことにして、並行してこちらの短編集を読むことにし . . . 本文を読む
未読の安部公房作品。
こちらが内容紹介。
読み進めていくと、安部公房作品にしては珍しく、登場人物が多い。途中から誰がなんだっけ?とこんがらがってしまったので、人物一覧を作りながら読みました。
☆登場人物・織木順一:花園町で育ち20年ぶりに戻る。服毒自殺を図る。人間計器となり地脈探索を行う。・花井太助:飢餓同盟のリーダー(社長)。花井キャラメル会社役員。・矢根善介:人形芝居師。廃バスに住ん . . . 本文を読む
この本は、十数年ぶりに読み直しました。安部公房の初期短編集です。安部公房のシュールリアリズム作品は、右脳で読まないといけないのだと認識したことが、十数年前と現在との違いです(^^)
安部公房作品を読むのは、「砂の女」や「箱男」など有名な作品から入るのも手筋ですが、やはり最初は「壁-Sカルマ氏の犯罪」から入り、この「水中都市・デンドロカカリヤ」と続くのが定跡といったところでしょうか。
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「終わりし道の標べに」を図書館で借りるついでに、文庫化されていなかった安部公房の作品も借りておこうと、「闖入者」が収録されている本書も借りました。
ところが、「闖入者」は読んだことあったんですね。しかも、「水中都市・デンドロカカリヤ」の中に収録されていました。いやぁ、、アミロイドβに脳が侵され始めたか....
せっかく借りたことだし、他に読んだことのない作家の作品もあるので、読んでみ . . . 本文を読む
安部公房の未読作品を読もう月間が進行中ですが、「終りし道の標べに」は安部公房の初めての商業誌への発表になります。(詳細はWikipediaに)
これは読んでおかないと、と思ったのですが、新潮文庫版は廃刊になったようです。amazonで古本を探しても見つかりませんでした。
そんなわけで、図書館で借りてきました。
敗戦時の満州を舞台です。故郷(日本)を捨てた主人公Tの手記を通して、朝鮮人の陳 . . . 本文を読む
このところ再読が続いている安部公房、初期の戯曲を読み直しました。
「どれい狩り」が1955年、「幽霊はここにいる」が1959年で、小説で言うならば「壁」で芥川賞を受賞したが1951年、代表作と言われる「砂の女」が1962年なので、その間に書かれた戯曲です。「飢餓同盟」「けものたちは故郷を目指す」と同じ時期になります。
表題2篇の他、「制服」も収録。
三島由紀夫もそうですが、昭和30年 . . . 本文を読む
未読の安部公房の作品。
こちら内容紹介。
脚本家と火星人を名乗る男との問答形式で話は進みます。小説ではなく戯曲にもできそうな内容。火星人は人間そっくりで、地球人だと思い込む火星人(地球病)と火星人だと思い込む地球人(火星病)の間で論理的な問答を通して話は進みますが、最後はダイナミックな展開になります。
巻末の福島正美の解説が、日本のSF創世記に触れていて興味深い内容ですが、その中で紹介さ . . . 本文を読む
「方舟さくら丸」を読み返してみて、そういえばこの話の元になっている「ユープケッチャ」は読んでなかったと気づき、読んでみることに。
安部公房の代表的な長編作のベースとなっている作品を含む短編集です。
目次はこちら。
「ごろつき」は、『文學界』昭和30年12月号に掲載。戦後、まだGHQに占領されていた頃の混乱期、靴磨き少年とやくざの話。「壁」が芥川賞を取ったのが昭和26年。初期の短編です . . . 本文を読む
平野啓一郎の新刊が出たので読んでみました。
こちら内容紹介。
5篇からなる短編集です。うち、「富士山」は、新潮に掲載されたときに読んでいます。
「富士山」は、ひょんなことから誘拐されそうになった少女を助ける行動をとった女性が、その行動への協調を躊躇った男性に対して幻滅する心理状態が書かれていますが、その男性が後日に別の子供を救助した行動を通して、女性の男性に対する認識についての葛藤が . . . 本文を読む
「死に急ぐ鯨たち」の中で、この作品への自作解説があったので、読み直してみることに。けっこう前に読んだ本なので、大筋は覚えてはいるのですが、細部の描写はほぼ忘れていました。
この作品が発表されたのは1984年、私はまだ学生、米ソ冷戦が続いている時代で、その年に行われたロサンゼルス商業五輪は、東側諸国がボイコット。アメリカ大統領はレーガン、ソ連大統領はゴルバチェフ、といった時代です。
本作は、 . . . 本文を読む
安部公房の遺作になる、未完の小説です。安部公房の死後、未完の原稿がフロッピーディスクから発見されました。
「死に急ぐ鯨たち」の中で、次回作として「スプーン曲げの少年」について触れられていましたが、この作品がそれになります。
内容紹介。
飛ぶ男は、文字の通り空中浮遊ができる男で、飛ぶ男が主人公である兄のもとを空から訪れることで物語は始まります。超能力をもっていることを証明するために、ス . . . 本文を読む
新潮文庫から安部公房の新刊が出てたので読んでみました、2024年8月28日発売。
1992年に発行されたエッセイ集「死に急ぐ鯨たち」に、「もぐら日記」を追加して文庫本化したものです。わたしはいずれも読んでなかったので、ちょうど良いです。というか安部公房のエッセイは初めて読みますよ、小説と戯曲しか読んでいなかったです。
こちら内容紹介。
目次その1。
目次その2。
死に急ぐ鯨た . . . 本文を読む
「百年の孤独」にインスパイアされた作品を読んでいるところなんですが、「同時代ゲーム」、「千年の愉楽」に続いてはこちらの作品。、、と、思って読み始めましたが、読み進めているうちに勘違いに気づきました。本作品は、百年の孤独とはまったくつながりのない作品でした^^;
なんでこんな勘違いしたんだろう?同時代ゲームと比較(SF大賞候補作)されてたせいかな?まあ、マジックリアリズムではなくとも、面白そうな本 . . . 本文を読む
先日の新聞で、「進む読書離れ、月に「0冊」6割強」という驚きの記事を読みました。読書はすべての知識の基本のキだよ、大丈夫か?日本人?
さて、「百年の孤独」からリンクして「同時代ゲーム」を読みましたが、それの補注の位置づけである作品が本書「いかに木を殺すか」だそうです。という理由で、こちらも読んでみることに。
内容紹介。これ読む限りでは、「同時代ゲーム」の五十年戦争と同じ物語が想起されるので . . . 本文を読む
「百年の孤独」にインスパイアされた作品を読んでいるところですが、大江健三郎の「同時代ゲーム」に続いてはこちら。
中上健次は、わたしが二十歳くらいの頃、マスコミによく登場していた覚えがありますが、作品は読んでなかったです、当時は三島ばっかり読んでいた。
こちら内容紹介。サーガを通しての語り部となる老婆がオリュウノオバで、これは百年の孤独のウルスラのような立場。淫蕩と早死が宿命付けられた中本の . . . 本文を読む