病院最上階にある食堂からの眺めである。春、南に見える海も輝いている。時間は9:30頃、いつもなら自宅でコーヒーを飲みPC前でグズグズしておる時間だが、今朝は心臓系の検査で県医療センターに来ている。
既に同位元素を注入され、薬物による負荷での血流状況(=アイソトープの広がり具合?)は撮像されておるのだが、次の安静状態と比較するための撮像まで3hrの空白時間が必要となる。帰宅するほどの時間でなく、仕方なく、が、ちゃんとご本を準備してセンター7Fの食堂で過ごした。先月のカテーテル検査入院では病室フロアだけの移動しか許されず、食堂からの
眺めは2年前の夏に薬剤(オフェブ)耐性検査入院以来である。その折のコンデジに比べると今日のスマホのは今一つの画である。なんだか、よぉわかん。タンカーも遠く浮かぶ神島も撮る気になれん。でも、先に述べたように海の輝きは撮り込めたかな。なんとか3hr近く粘って海を眺めると、海面の輝きが東から西へと(左から右へと)移動してゆくのが分かった。太陽光の球面反射によるものと理解はできるが、こうやって眼で観て分かったのは嬉しい。
その食堂で残り1/3ほどのほとんど読み上げたのが、アイスランド;アーナルデュル・インドリダソンの北欧推理小説モノ「湿地」。前回借り出した「湖の男」よりはるかに上手。やはり最初の作品が好いのかなぁ。白状すると、この2冊の他にも「緑衣の女」も以前に借り出しておる。花が芽を出し始めた頭には、すぐに忘れることのできるのが好いのだな、この種の娯楽?湿地と一緒に借り出したのがソ連時代の収容所に関係した「赤い十字」。これは好かった、勝手な解釈ながらシュリンクの「朗読者」よりも佳い女性からの語りであった。得した。もう1冊が小沢昭一さんの本。どうもラジオの語りのようには脳内を刺激してくれなく、残念。半分ほどでやめてしまった。でも、私には小沢さんが若妻;佐久間良子 を出稼ぎ杜氏仲間;三国連太郎 に獲られてしまう映画「越後つついし親知らず」が鮮明なのです。というか、映画は白黒が好いのかなぁ~ で、最後にボロボロ文庫本はジョン・ル・カレ「寒い国から帰ってきたスパイ」。他の方もおっしゃるとおり、英国のごちゃごちゃした筋が苦手だが、しっかりした構成に間違いがない。他の本も借りてみよう。