先月末のこと、朝刊に大きく近くの四日市市にも工場があるJSR社(旧・日本合成ゴム)の名前を観た。国の投資機構が国が半導体材料の開発&製造の強化を目指し、投資機構がJSRを9000億円で買収へ動き出した という。合成ゴムがメインの社業とだけ思い込んでいたので、慌てて社のHPへ。1980年にはフォトレジストに乗り出してちゃんと変身を図っている。こうあるのが企業、ぼんやり私にはとてもとても。
50年以上も前には国鉄(今のJR)に乗り、合成ゴムのそばを通って高校へ通学した。年間を通じてであったが、特にこの時期のJSRからの異臭はすごかった。新品タイヤの匂いを生々しくしたもの といってよく、ああ四日市だ と思った。その前の中学生時代には、仲良くしてくれたF田君のお兄さんは優秀な方だからこの社に務められている とも聞いた。一度だけであるが、お兄さんには算数の問題の解法ヒントを教えてもらったこともあります。今、パソを前にしていても鼻の奥にスチレンラバーの匂いが想い出せます・・・異臭と書きましたが、決して嫌に思わなかったです。
ちょいと理系崩れに続けます。
圧壊してしまった潜水艇タイタンの主な構造材はチタン合金と強化CFRPのようです。もちろん高分子性の観察窓も構造材の一部ではありますが。すると、どこかでチタンとCFRPの炭素繊維(あるいは炭素素材)との界面ができるのです。例えば、出入り口としての半球部と円筒状の居住空間とはフランジ部分をボルト締結して組み上げてありますが、おそらく金属チタン合金製のフランジとCFRP胴の接合一体化は全くの異材接合になります。当然疲労にしても脆性にしても破壊起点となりやすいです。素人に近い私でも、危惧します。なぜ誰もがこんな船体に✕印をつけなかったのでしょう・・・