欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

ある欠陥?事件の『鑑定書』に疑問!! No.1

2013年11月05日 08時44分38秒 | 欠陥建築(欠陥住宅)レポート



『コンクリートは、科学的に接着しないのが、当たり前ではないか!』



欠陥建築における「裁判」で、建築士が建物を調査して、証拠に提出する

報告書を「鑑定書」と呼びます。



私の場合は、「鑑定書」と言わずに、単に「調査報告書」と呼びます。



「鑑定書」と言う呼び方は、「如何にもいやらしい!」からです。

何か、「自分は、専門家だから、絶対に間違いはないんだ!」



…みたいな、妙な威圧感さえ感じるのです!

…それが、『本当に正しいならば!』…




私は、あるマンションでの「欠陥?建築裁判」に提出された、「鑑定書」

を見る機会がありました。



そこに書かれている「欠陥?の証拠」を見て、もう、吹き出しそうになり

ました。…




マンションの工事が、欠陥と主張する、施主側の「建築士」は、マンション

の基礎部分の「コンクリートサンプル」を切り取って、そのコンクリート

が欠陥なので、「サンプルが、真っ二つに割れた!」と、主張しています。



このサンプルを採取した箇所は、コンクリートを打ち継いだ部分です!

つまり、もともと、「最初のコンクリートと、後のコンクリート」が、

科学的に「接着していない!」箇所なのです。



普通、「コンクリートのサンプル」は、円筒状に抜き取ります。



そして、今回の様な、「打ち継ぎ部分」のサンプルを採取しようと思えば、

目で見て確認出来るので、そこのサンプルを採取すれば、良い訳です。



もし、「打ち継ぎ部分」以外のコンクリートサンプルが、「真っ二つ」に

別れたら、それは「異常」です。


「打ち継ぎ部分」のサンプルは、建物から抜き取り、軽く「ハンマー」で

衝撃を与えれば、「真っ二つ」に割れます。



『むしろ、これが、普通ですし、当たり前です!』




マンションに限らず、一般の木造住宅の「ベタ基礎」の「底面」と、

「立ち上がり部分」の境目のコンクリートサンプルを、採取しても、

同じ様に、「真っ二つ」に割れます。



…この様に、コンクリートは、「科学的に接着しない物質」なので、

「機械的に連結」させる為に、「鉄筋」を入れるとか、「骨材」と言われ

る「砂利」を入れるのです。





私は、ある機関で、「コンクリート」の研究をしてきました!

ですから、今回の様に「サンプルが真っ二つ」の写真を見ても、びっくり

しませんが、一般の素人の人は、「これは、欠陥だ!」と、勘違いする

可能性があります。



…おそらく、「それが、狙い」なのかもしれません。

建築の素人の「裁判官」は、びっくりするかもしれませんね。




…実は、私が見た「鑑定書?」の裁判は、一審で「ぼろ負け」だったのです。

二審でも、こんな、どうでも良い「証拠」を出す様では、かなり厳しい状態

なのでしょう。



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