欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

欠陥建築(欠陥住宅)に関する皆様からのご質問…『中古住宅は構造上問題ないのか?』

2013年02月25日 17時57分27秒 | 皆様からのご質問にお答えします




『今まで調査した中古住宅の全てに欠陥や法令違反がありました。』



正直申しまして、中古住宅は、素人が安心して買える保証はありません。


…と、申しますのも、過去に我々が調査した住宅の全てに、何らかの問題

があったからです。


その中には、大手の不動産会社が仲介した物件も、多数存在します!


「不動産業者」は素人目には建物の事なら何でも知っていそうですが、

実際は「建築基準法」をあまり知らない人がほとんどです。

また、「物理的」な「構造力学」に関しても、「土木技術」に関しても

ほとんど素人です。


「不動産業者」の中には、自ら「建物」を調査するセクションをつくっ

て、「この家は、私たちが検査しましたから、安心してください。」

みたいな「お墨付き」をつけている所もあります。


しかし、「売る側」が調査した結果を信用できるのでしょうか?

また、「建築士」でない不動産業者が、建物検査をどこまで出来るので

しょうか?


今は、家が売れない時代です。だから、売る側は「あの手」「この手」

と、次々に趣向を凝らした販売テクニックを考え出すのです。


…家は、慌てて買ってはいけません。


「不動産屋」は「この家は他にも問い合わせをしているお客さんが

いる。」と、言って契約をさせようとします。


でも、これは、ほとんど「嘘」です!


「不動産屋」が、もし、こう言う台詞を吐いたら、そこの不動産屋は

やめた方が良いです。


家なんて、いくらでもあります!

これからは、高齢化で「中古住宅」がもっと安く買える時代になるで

しょう。


消費税が上がったって、それ以上に「中古住宅」が安くなる可能性が

あるんです。


「高い家は絶対手を出さない。」

「中古住宅は欠陥住宅の可能性が高い。」

「不動産業者が、焦らせようとした時は、買うのをやめろ!」


この三つのポイントをお経の様に唱えてください。

そうすれば、「欠陥住宅」を買う可能性がぐっと減るはずです。



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欠陥建築(欠陥住宅)…『イエス・キリストも大工だった!』

2013年02月20日 15時04分38秒 | 建築のうんちく




『2000年前にも欠陥建築は存在したかもしれない!』



今日は、日曜日で教会のミサに行かれた方も多いと思います。


…イエス・キリストの養父は「ヨセフ」ですが、彼は大工さんだったんです。

そして、イエス・キリスト自身も、うんと若い頃は、父親の仕事を手伝っていたの

です。


それも、もう2000年も前の話なんですね!


…イエス・キリストが活躍していた頃の日本は、「コメ作り」が始まった頃で、

「弥生時代」です。

その頃に、日本ではどんな家に人々が住んで居たかと言うと、「縦穴式住居」でし

た。


この「竪穴式住居」は、地面を30センチほど掘り下げ、その土砂を周囲に楕円形

に盛り上げた土の床の上に、ほったて柱を立て、更に上に屋根をのせた建物です。

…今の建物で言うと、「ドームハウス」みたいに、外壁がなくて、屋根が外壁の

役目も兼ねた構造です。


…現代の「茅葺きの農家」の外壁を取り払って、屋根部分だけ、土の上に置いたら、

丁度、古代の「竪穴式住居」です。


この「縦穴式住居」は、」奈良時代まで、一般庶民の住宅として使われていました。



…現代の住宅は、「設計図」がなければ、どんな小さな家でも建築する事が出来ま

せん。

だから、「設計」を専門に行う「建築士」が居る訳です!


でも、2000年前の住宅は、日本でも、イエス・キリストの建てた家でも、

「設計図」と言うものは、存在しなかった様です。

それだけ、構造が簡単だったのですね!


少々、狂いが出ても、適当に誤摩化してしまえば良かったのではないでしょうか。

今から考えると、昔は随分おおらかでしたね^^


…さて、イエス・キリストに話を戻しますが…

「大工」をやめた後のイエス・キリストは「宗教家」の道を歩み始めます。


当時、まだキリスト教は存在しないで、「ユダヤ教」の時代でした。

この「ユダヤ教」には色んな戒律があって、「安息日には何歩以上歩くな!」

…みたいな理不尽なものが多かったのです。


そして、その「戒律」を破った信者は、その罪を消す為に、教会に「献金」した

り、ヤギ等の家畜を奉納したのです。


そんな、「金権体質」の当時の「ユダヤ教会」を、イエス・キリストは「批判」

して、「キリスト教」をたちあげたのです。

この、当時の宗教の「金権体質」を「批判」した行為を、「イエスの宮清め」と

呼んでいます。勇気がありますね。命がけだったんです!


…人の顔を見れば「金」を取ってやろうとする体質は、2000年前も現代も、

全く同じです。


欠陥住宅を建てられてしまって、困っている「被害者」に、私に金を払えば、

「裁判で業者から金を取り返してあげましょう。」と、言って、「被害者」から

何百万円もふんだくる「弁護士」や「建築士」たちの存在も、イエス・キリスト

が行ったように、「批判」し「宮清め」しなければなりません!



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歴史的欠陥建築物(欠陥住宅) No.6奈良東大寺大仏殿

2013年02月19日 22時15分10秒 | 歴史的欠陥建築物(欠陥住宅)





『世界遺産で国宝の東大寺大仏殿を耐震補強した明治の建築家』




今回は誰もが知っている世界遺産「東大寺大仏殿」のお話です。

現在の大仏殿は、江戸時代に建てられた建物で、創建当初の大仏殿より小さいです。

創建当初の大仏殿は、源平の戦で焼失しています。


さて、この世界遺産の「大仏殿」が明治時代に「耐震補強」されているのを、ご存知

でしょうか?


日本では、明治になってから、古い木造建築を後世に残す為に、当時ヨーロッパで、

最先端の建築工学を学んだ日本の若者が、「耐震補強」を寺社の建造物に施しました。


「東大寺大仏殿」も耐震診断の結果、屋根の小屋組を補強しないと、大地震の時に

倒壊の危険がある事が判明し、小屋組を鉄骨で補強する事になりました。


ですから、現在も、大仏様の頭の上あたりに、明治の頃の耐震補強で入れた鉄骨が

入っています。(下から見上げても、見る事はできません。)


…実は、その当時に耐震補強した建物は、他にもあって、有名な所では、同じ奈良の

「唐招提寺」などもそうです。


明治時代にこれらの建物が、「耐震性に問題あり」と判定されたのですが、そもそも

日本建築は、地震の力を受け流す様な「柔」の構造になっています。


それに対し、西洋建築は、自然の力に対抗する「剛」の考え方です!


明治の建築家達は、日本建築は遅れていて、西洋建築こそ近代的な建築だと考えて

いました。

ですから、日本建築のスタンダードとも言える寺社建築を見て、「これはいけない!」

と、思ったに違いありません。


…こんな事を言ったら皆さんは不安に思うかもしれませんが…

どんな耐震設計の建物でも、巨大地震が来たらどうなるか、誰にもわからないのです。


…事実、こんな事がありました…

阪神大震災の後、日本政府は地震に強い建物の研究開発に多額の資金を出すように

なりました。


そして、兵庫県三木市に、実物の大きさの建物の耐震実験が出来る施設をつくったの

です。それが「Eディフェンス」と言う実験施設です。


その「Eディフェンス」で、耐震補強していない木造3階建て住宅と、耐震補強金具

でガチンガチンに固めた耐震補強した木造3階建て住宅を二つ並べて、阪神大震災と

同じ震動を与えました。


技術者達は、「耐震補強した建物」は軽い損傷だけで、「耐震補強してない建物」は

完全に倒壊するであろうと、誰もが考えていました。


…ところが…

結果は、全く逆でした!


「耐震補強した建物」は震度6で完全に倒壊し、「耐震補強してない建物」は軽い

損傷だけで済んだのです。


その原因は、今でも検証中だと思われますが、「耐震補強してない建物」の場合は

建物を構成する部材が、がたつき、きしむ事によって、上手に地震のエネルギーを

吸収していたと思われます。いわゆる「柔」構造です。


それに対し、「耐震補強した建物」は金具で部材どうしを拘束した為に、地震の

エネルギーを吸収できない「剛」の構造による事が原因と思われます。


…このように、科学者の理論を超えた現象と言うのも、珍しくないのです!


ですから、東大寺大仏殿を地震から守る為に、もう一度、建物の保存方法を皆で

考え直した方が賢明ではないでしょうか。


明治の建築家の判断が、間違っているとは言いませんが、今は当時はなかった様な

「免震技術」も確率しています。



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歴史的欠陥建築物(欠陥住宅) No.5国宝松本城

2013年02月19日 21時22分11秒 | 歴史的欠陥建築物(欠陥住宅)





『国宝松本城の天守閣の基礎が低く、傾斜が緩い理由とは…』




お城の天守閣を支える基礎の石組みは、高く険しいものです。

しかし、国宝松本城の天守の石組みは、低く、傾斜も緩いのです。


これでは、敵が攻めて来た時に、簡単に本丸を落とせてしまいます!


なぜでしょう?


この松本城、明治の頃には、かなり天守閣が傾いていたんです。

どうやら、そのあたりに秘密がありそうですね。


実は、松本城の建っている場所の地盤は、非常に軟弱なのです。

だから、普通のお城みたいに、そびえる様な基礎の石組みをつくれなかった

訳です。


過去に肉眼でもわかるくらい城が傾斜した理由に、ある人物の祟りとの説も

ありますが、実際には、軟弱な地盤の中に基礎杭を打ち込んだものが、当時

の基礎杭が丸太だった為に、丸太が腐朽し、杭としての役目をなさなくなっ

て、城の重みに基礎が耐えられなくなって、城が傾いた為です。


…このように、建物にとって地盤や基礎は重要なのですが、「手抜き工事」

で一番多いのが、この部分なのです。


基礎や床下、天井裏は、建物が完成すれば隠れてしまいます。その中でも、

基礎部分の工事はお金が掛かるので、ここで「手抜き工事」する事が、一番

経費を節約できる訳です。


しかも、一般的な知識しか持たない素人をだましやすいのが「基礎工事」で

す。


正直言って、プロの建築士ですら、「手抜き工事」を見破れない事さえある

のです。

その位、「職人」は巧妙な「手抜き工事」を行う事が多いです。


皆さんが今お住まいの住宅の基礎は大丈夫でしょうか?

一度プロに診断してもらう事をお勧めします。


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歴史的欠陥建築物(欠陥住宅) No.4横浜赤煉瓦倉庫

2013年02月19日 20時06分22秒 | 歴史的欠陥建築物(欠陥住宅)





『横浜の観光名所、赤煉瓦倉庫はかつて耐震性に問題があった!』




最初に、誤解があってはいけませんので…

現在の赤煉瓦倉庫は耐震補強工事が施されているので、全く危険性は

ありませんので、念のため…


現在、保存され、おしゃれなお店がテナントとして入っている「赤煉

瓦倉庫は二棟並んでいます。


でも不思議ではありませんか?


一棟は長くて、もう一棟は短いのです!

こんな事、言われないとあまり気が付かないかもしれませんが、私の

場合、非常に気になっていました。


なぜならば、同じ建物を二棟設計する方が、仕事が楽ですし、コスト

も安くつくからです。


実は…


建築当初は、同じ形同じ大きさの「赤煉瓦倉庫」が二棟あったのです。

それが、関東大震災の時に、そのうちの一棟の一部が崩れ、建物が短く

なってしまって、現在に至ります。


…関東大震災で崩れた「レンガの建物」は他にも一杯あったんです。

それらの瓦礫処理に困って、海に捨てた場所が、横浜のデートスポット

として有名な「山下公園」なのです。


「赤煉瓦倉庫」が強烈な揺れによって全壊しなかった理由は、「倉庫」

ならではの構造上の特徴があったからです。


「倉庫」と言うのは、荷物を保管する為につくられた建物なので、窓

等の開口部が小さく、柱の数が通常の建物よりも多く、その柱の径も、

太くつくられています。


その事が、この歴史的建造物「赤煉瓦倉庫」を関東大震災からまもった

理由です。


しかしながら、レンガを積み重ねてつくった建物は、地震に大変弱い

建物である事を忘れてはいけません。


明治以降、日本は欧米諸国に追いつく為に、多くの西洋式建築物を建て

ました。

当時は、「レンガの建物」が地震に弱いと言う事を、あまりわかって

いなかったのかもしれませんね。


もし、皆さんが横浜「赤煉瓦倉庫」を見学する機会がございましたら、

二棟の倉庫の長さが違う点を検証してみてください。



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