ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

大地の子

2008年03月06日 23時31分26秒 | 最近の出来事

最近、信号待ち読書で読んでいるのが
山崎豊子が書いたタイトルの小説。
少し前に
パールバックが書いた小説
「大地」を読んで
面白かったよと友達に教えてあげたら、
間違えてこの「大地の子」を読んだらしい。
「この前聞いた小説を読んだらすごく面白かったけど
doironさんが言ってた様なストーリーとは
全然違ってたよ」とのこと。
そりゃあ、違う小説だから
同じなはずがない。
「でも、その『大地の子』もすごく面白くて、
久しぶりに小説を読んで泣きました。」
と、その友達が言ってたので
例によって通勤車の
信号待ち読書で
僕も読むことにした。

山崎豊子が書いた
その小説の存在は知っていて、
何を題材にした小説なのかは
おおよそ知っていたが、
果たして読み始めると
どんどん引き込まれていったよ。
2日間、通勤の車で読んでみたら面白くて
信号待ちの間だけのそんな読書では収まらず、
ここ2、3日は眠りにつくまでの時間を
この小説の読書に費やした。
といっても限られた時間の中で読んでるから
ようやく第1巻も
ほぼ終わりかけみたいな状況なんですが・・・。
でもきっとこれは最後まで
読みたくなるだろうと思い、
今日、1巻を買った古本屋さんへもう一度行って
残りの2,3,4巻を買ってきたよ。

中国残留邦人の主人公
陸一心の
悲惨を極めた幼年時代。
日々、生きていくために
どんなに辛い思いをしてきたかが書かれてあって、
事実に基づいたフィクションとはいえ
「人間てこんな悲惨な状況でも
生きていけるんや」と思ったね。
どんなに仕事が忙しくても
日々、思うようにならなくても
陸一心が過ごした日々に比べれば
たいしたことないやんと
思えるんじゃないかと考えたら
ある意味、生きる勇気を与えてくれる小説だ。

飢餓のために、
主人公ではなく
周りの人間が人を食うくだりがある。
大岡昇平の小説や
漫画「阿修羅」にも同様のシーンがあるが
この様なシーンは
本当に強烈な印象になって残る。

もっとも、昨今は
人を食ったような話は多いけどね。

「もう一度歴史の勉強をしたくなりました。」
と、この小説を読み終えた
その友達は言ってたけど
まったく同感。
日本が中国に対して行った残酷な行為や
名前は良く知っているけど
当時の中国の思想の根源となっていた
「毛沢東」
が、こんなに残酷な政治の
原因となった人だったことなどを読んで
自分の歴史の知識のなさを
痛感しました。

壮絶な人生を送った主人公。
その長い人生の旅路の果てに
生き別れた肉親と出会うという
あらすじは、すでに
僕に、涙を予感させているのだ。