第88番医王山大窪寺は、
順打ちしてくると
最後の結願所に当たるお寺だ。
なので寺の境内では
結願の感慨に涙ぐむ
お遍路の姿が見られるそうだ。
すべてを打ち終えて
ここにたどり着いた人の心には
どんな感動が芽生えているのだろう。
それを眺めることは、
初めてロングトライアスロンに出て
ゴールをする人を
拍手で迎えるようなものに似ている。
いろんなことがあり、
いろんな思いを抱えて
ここまでやってきたはずである。
その苦しさを考えれば、
これから先に続く皆さんの人生の旅路も、
しっかりと乗り越えていけるにちがいないよ
と、心から祝福してあげれそうだ。
ああ、doironも早く1番札所で
感激してみたいものだ。
大門で頭を下げて入場。
手水で丁寧に手と口を洗い、
すぐにバッグからろうそく1本と
線香3本を取り出して
火をつける用意をする。
火をともしたら、次に納め札を納め、
賽銭を入れて本尊に手を合わせる。
そしてそのあとに、
先達の指導に合わせて
勤行次第が始まるのだ。
まずは「開経偈(かいきょうげ)」から始まる。
「無常甚深微妙法」と唱える先達に続き
遍路たちは開経偈を唱える。
そのあと、「懺悔文」「三帰」
「三竟」「十善戒」と続いていく。
まだまだテキストに書かれたのを
読み続けるだけだ。
そして二つの真言を挙げてから、
「仏説摩訶般若波羅蜜多心経」
へと入っていく。
これも今はまだ少しずつしか
覚えていない。
それが終わったら
テキストの十三仏真言、
光明真言、大師宝号を唱え、
廻向を読み上げて勤行は終わり、
その後それぞれのお参りをして
本堂のお参りは終わりだ。
同じ勤行を
再び太子堂でも順番通り行い、
このお寺のお参りは終わる。
まあ行ってみれば大変だ。
一か所のお寺ごとに
これだけしっかりと
勤行をおこなうのだから、
四国遍路の大変さが
想像できるというものだろう。
一か所打っただけで、
心が八十八分の一綺麗になった気がします。
では次の、
八十七番「補陀落山長尾寺」
に向かいましょう。
そうそう今回のツアーの
バス運転手さんは女性でした。
そしてこれがとても運転がうまくて、
サービスエリアなんかでも
林立するバスの合間に、
スルーっとうまく入っていきます。
思わぬスムーズな運転に
乗車している人たちから
拍手が出たほどでした。
まったくもってご利益のある
運転でしたな。
この間に我々はツアーが
提示してくれた弁当をたべます。
ふむ、なかなか悪くない弁当でした。
運転がスムーズだから
たべやすいしね。
これで4980円は
なかなかのお得参りでしたな。
ただねえ、このツアー、
二回目以降はもう少し
値段が高くなります。
遠くなるからでしょうかねえ。
それとももう引き返せないところに
君らを連れて行ったからか、
残念ながらもうやめれないだろう
というツアー会社の目論見が
働いているのかもしれません。
あ、そうそうこのお寺では、
この日にそろえたウェアで
写真を撮って起きました。
これが前方から見た姿です。
わげさは何種類かの色がありましたが、
パッと見て普通の紫のを買いました。
後姿には
「南無大師遍照金剛 同行二人」
と書かれてあります。
常にお大師さんと二人なんですねえ。
こりゃあ、服を着ているときには
屁もこけません。
バスの中ではしっかりと
服を脱いで寛ぎましたけどねえ。
とか何とか言ってるうちに、
約30分くらいで
八十七番の長尾寺に到着です。
では服を着て、わげさをかけて、
グッズもしっかりと持って行きましょう。
忘れ物なんかをしたら大変です。
団体の流れを遅らせないためにも、
その辺はしっかりと確認しながら
バスを降ります。
続きます。
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