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心から楽しまないとねえ。

大和三山ミステリー歩行5

2014年05月30日 21時32分00秒 | ウォーキング

月の誕生石。それがこれ。



大きな石が森の中に忽然と現れます。
果たしてその名前の由来はどういうことなのか。

そこの説明によりますと、
ここにあった大きな石が
次第に膨らみ始め、
ある時、石の表面に腹帯をまいたような
白い筋が出てきたそうです。



それからも石は膨らみ続け、
地元の人たちは
「石が子どもを産むんだ」
と言っておったそうです。

するとある夜、山の方から
赤ちゃんの泣き声が聞こえたので
村の人たちが「石の赤ちゃんが生まれた」
と思って見に行くとすっかり石がしぼんでいたそうです。

赤ちゃんはどこに?
と探したところ香具山の上に
ぽっかりと月が現れたので、
こんな名前になったそうです。

赤ちゃん石を探したのではなく、
空に浮かぶ月を石の赤ちゃんだとする壮大な発想は、
この地に漂う神代の神秘の名残が
そうさせたのかもしれません。

気になったのは他にも「蛇つなぎ石」というのもありましたが、



残りの距離と時間を考えてパスしました。

帰ってから調べてみたらこのあたりには、
巨石にまつわる史跡がいくつも点在しているようです。

さすがにミステリーに満ちた地域です。

脇道から元に戻って香具山の麓の村を下っていくと、



遠くに次の目的地である耳成山が見えてきました。

遠くとはいえ、歩き始めた頃に比べたら
ずいぶん近くになりました。

あそこまで大体一時間半くらいかかりそうです。

歩行後の温泉のことを考えたら、
宴会まではぴったり間に合いそうな距離です。

最近はさすがにこれだけ歩いていると、
見た目の隔たりと歩行に要する時間の感覚が
かなり身についてきたように思います。

てくてくマップをたよりに田んぼの中の道を
てくてく歩いていくと、道端に大きな石が建っていました。

八釣山地蔵尊の道標です。



そしてその横には、
香具山から下りてきたときに見たのと同じ
「天香山埴安伝稱地道」の石碑です。



こちらの石には指をさす手が
浮き彫りにされています。
しかも掌をこちらに向けた
凝った彫り方をしています。
行ってみましょう。

これが八釣山地蔵尊。



えらく立派な地蔵尊ですねえ。
興福寺という寺の境内に
地蔵尊が祀られています。

仏法を嫌っていた物部氏が、
飛鳥の橘寺に火を放って焼いたとき、
金堂に安置してあった地蔵菩薩が、
香具山の頂上に逃れて行き、
それを知った聖徳太子が
香具山の山麓に寺を建立して
地蔵を祀ったと言われています。

飛鳥をチャリンコで巡った時の記憶がよみがえります。

橘寺は田道間守(たじまのかみ)が持ち帰った
不老不死の橘を境内に植えたことに由来しています。

田道間守は先日行ったカニカニツアーのブログで
丹後地方の羽衣伝説で出てきましたね。

あの時は不老不死の薬はお酒だったのですが、
ここでは橘の実になっているのがミステリーですねえ。

伝言ゲームのように伝承は変遷していきます。

その興福寺境内には、
四国八十八ヶ所霊場の
お砂踏み場もありました。



そこを歩くと八十八ヶ所をめぐったのと
同じ功徳があるとのお得なところです。

まあ、それはおいときましょう。

寺の正面には、道を隔てて
畝尾(うねお)坐健土安神社があります。
さらにこの神社の奥には
「畝尾都多本神社」という名前の神社もあります。
この「畝尾」が「うねび」と読めるところから、
奈良三山の呼び名は
昔と今は異なっているのではないか
という説もあるようですが、
最近はあまり言われていないようです。

さてここで先ほどの石標について考えてみましょう。

「天香山埴安伝稱地道」の中の「埴安」なのですが
「埴」は粘土質の土のことで、
「安」はというと土をこねるという意味があります。

最初に登った畝傍山頂にあった
「埴取」の聖地は
祭事に使う神器を作るためのものでした。

ここもそれに関連しているのでしょう。

調べてみると今でこそ
住吉大社は畝傍山で埴取をしていますが、
昔は香久山で採取していたそうです。

香具山の西にあったと言われる
「埴安池」もきっと土をこねるための
水を採取する池だったのでしょう。

もしかしたら、先ほどのアカウキクサの池も、



香具山の南にあったけど
その名残なのかもしれません。

埴取神事のことひとつとっても、
この地域の伝承はミステリーに満ちています。

いずれにしても、
こういった小さなミステリーが
いくつも重なって、
古代史の神秘性を演出していることは確かでしょう。

その古代史の中心ともいえる
「藤原宮跡」をこの後通過します。

続く


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