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にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

運動するなら空腹時、特に朝がお勧めです

2021-05-01 09:57:10 | 病気のはなし

前回「コロナ太り??本当にそうですか?」で食事の話をしましたが、今回は運動の話です。

「頑張って運動しているのに全然体重が減らない」っていうお悩みを持つ人が少なくありませんが、これ勘違いが原因のことが多いんです。

何が勘違いかって、それは『運動するタイミング』。

食べたら運動と考えていませんか?

残念ながら食べた後の運動では、まずは摂った食べ物の栄養(主にブドウ糖)を燃やしてしまうため、お腹や二の腕などにため込んだ脂肪を燃やし始めるには随分と長い時間が必要になってしまいます。

それに対して食べる前の運動なら、血中のブドウ糖が少ないため、早くから脂肪を燃やし始めることができるのです。

というわけで、健康的にダイエットが目的ならば運動は空腹時、中でも朝一番がお勧めです。

ただし一つ注意が必要なことがあります。

血中にブドウ糖が沢山ある状態で運動すること慣れている人は、脂肪を燃やす回路が眠ったままの状態になっているため、すぐには脂肪をエネルギーに作り変えて使うことができません。

そのため空腹時に激しい運動をすると、エネルギー供給が間に合わずに体調を崩してしまうことがあるのです。

最初は少し早歩きで散歩をする、階段を上り下りするなど、空腹時に身体を動かす習慣作りから始め、次第に運動時間や運動強度を上げていくようにしましょう。

さあ、あなたも今日から朝の運動始めてみませんか?

 

 

 

 


コロナ太り??本当にそうですか?

2021-04-23 15:57:43 | 病気のはなし

新年度になり学校や保育園の健診が始まりましたが、肥満が悪化したり、新たに肥満になったりする子どもがかなり増えていました。

「コロナで運動不足になったから」というのは確かに一因ではあるけれど、本当の問題は「バランスの良い食事とはなにか」が分かっていないことです。

学校で習ったように、黄(炭水化物・あぶら)はエネルギー源、赤(タンパク質)は体を作る、緑(野菜・くだもの)は体の調子を整える食品です。

このうち肥満に直接関与するのは黄ですから、運動シッカリする人は多めに摂取しても使い切るのでOKですが、そうではない人がたくさん摂ると確実に皮下脂肪や内臓脂肪になります。

大人も子どもも、自分がどのくらい食べているか、1週間でいいので全部書き出して(水を飲んでも書いておく)、PCのソフトやスマホアプリで計算してみましょう。

もし肥満やその傾向のある人は、その中から主食の米・小麦(炭水化物)を減らすには何を我慢すればいいのか考えてみましょう。

小腹がすいたらおにぎり・パン・お菓子というのは一番まずいパターンですから、チーズやナッツ、ヨーグルト、サラダチキンなどにしてみましょう。

ただし、一気に炭水化物を減らそうとはしないことです。

長続きさせることが一番大事なので、腹八分目ならぬ炭水化物八分目で、最初は夜の炭水化物から徐々にやっていきましょう。

そして運動と食事は健康な体作りの両輪ですから、自宅で気軽にできる「ながら運動」でもよいので、運動不足にならないように注意してくださいね。


スギ花粉症の方は、お急ぎ予防開始を!

2021-03-12 09:56:45 | 病気のはなし

青森県にも春がやってきました。
むつ市の積雪はすでに0cmになっています。

そうなると心配なのがスギ花粉症ですね。

青森県花粉情報研究会が毎年県内のスギ花粉情報を発表していますが、昨年秋の雄花の着生調査からは、青森市・弘前市では飛散が少なく、むつ市・五所川原市では例年並み、八戸市では例年通りの大飛散となると予測されているそうです。
  >>>青森花粉情報研究会のHPはここをクリック

実際に八戸市ではすでに一程度の飛散が始まっています。

そして来週3/15からは、全県的に飛散量が増える予想となっています。

花粉症に使う抗アレルギー剤は、症状が出る前から開始した方が効果が高いことが分かっています。
ひどくなったらと考えず、今から予防を開始して下さいね。

どんぐりでは大人も含めてアレルギー治療を行っていますので、どうぞご相談ください。


受け忘れている予防接種はありませんか?

2021-03-03 15:04:44 | 病気のはなし

いよいよ3月となり、2020年度が終了間近です。

幸いにも青森県内ではコロナの流行が抑えられていて、間もなくワクチン接種も開始されますが、効果が出てくるのはかなり先ですから油断はできませんね。

ワクチンと言えば、皆さんのご家庭ではお子さんのワクチンを先延ばしにしたりしてはいませんか?

B型肝炎やBCGは1歳まで、麻疹風疹1期(MR)やおたふくかぜ(むつ市の独自補助)は2歳まで、水痘は3歳まで、ヒブや肺炎球菌は5歳まで、麻疹風疹2期は年長さんだけ、四種混合や日本脳炎は7歳半まで、と定期接種(公的接種)の期限が決まっています。

現在では接種間隔が生ワクチン同士以外では問われない(翌日でも接種できる)ようになり、同時接種と上手に組み合わせれば大丈夫ですので、もし受け忘れているワクチンがあったら急いでご連絡くださいね。


硬い豆やナッツ類等は5歳以下の子どもには食べさせないで!

2021-01-27 14:06:01 | 病気のはなし

もうすぐ節分ですね。
今年は例外的に2月2日(普通は2月3日)なのだそうです。

節分といえば豆まき、「鬼はー外、福はー内!」と家族で楽しいひと時を過ごすのが定番。

でも、豆まきのたびに子どもが窒息事故を起こしていることはご存じですか??

消費者庁では、

食品による子どもの窒息・誤嚥(ごえん)事故に注意!―気管支炎や肺炎を起こすおそれも、硬い豆やナッツ類等は5歳以下の子どもには食べさせないで―

という啓蒙活動を行っています。

ぜひお読みになって、家庭での誤飲事故を防いであげてくださいね。

↓↓ ここをクリックしてみてね
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_047/

 

 

 


神奈川県が保健所ひっ迫で接触者調査を縮小

2021-01-09 10:31:52 | 病気のはなし

神奈川県が今日1/9以降は保健所が行う濃厚接触者の調査を大幅に縮小し、医療機関や福祉施設などを除く一般の感染者については、同居する家族以外の濃厚接触者の調査を原則として行わないとする新たな方針を発表しました。
これは、実質的に5類相当(感染者数を把握するのみ)の扱いにするということで、確かに保健所の業務のひっ迫性は一程度低減するでしょうから、重症化対策に傾注できるようになるかのように思えるかもしれません。

しかし、現実はそうなるのでしょうか?

グループで食事をした人の感染が判明した場合でも、ほかのメンバーについて濃厚接触者としての調査は行わないほか、検査もしないということですから、感染者が直接連絡する・巷のうわさに聞くなどで自分が接触者であることを知ることがない限り、濃厚接触者であることは知らないままに通常の生活をすることになります。
運よく感染していなければいいでしょうが、もし感染していた場合にはさらに周囲に感染を広げることとなり、しかもその場合でも、新たに感染者となった人(と同居人)以外は放置ですから、感染はねずみ算式に拡大していく可能性があります。

新型コロナを早く5類にしろ!という方々の考えが正しかったのか、そうではなかったのかということが、神奈川県の今後を見ることである程度分かるのでしょうね。
気持ち的には5類にしても感染爆発は起きなかったとなることが一番よいのですが・・・


しっかり鼻を吸ってあげていますか?

2020-11-07 10:23:03 | 病気のはなし

寒くなってきて、鼻水や咳での受診が増えてきました。

「痰がらみの咳が多いんです」「寝起きに咳込みます」という訴えがよく聞かれるのですが、「奥にある鼻水もしっかり吸えて(かめて)いますか?」と質問すると、多くのケースでは中途半端な鼻かみや鼻吸いになっています。
また他の医療機関で「あまり鼻は吸わない方がいい」と指導されているような場合もあります。

そういう時は、自分がどういう時に、どれくらい、どんなふうに鼻をかむのかを考えてみてください。
「ひどくなったら」「垂れてきてから」「朝と晩だけ」とか、「ティッシュで拭く」「軽くフンとするだけ」なんて答えは出てきませんよね。

しっかり奥の鼻が取れて、すっきり鼻で呼吸できるようにならないと、残った鼻で鼻呼吸ができずに口をポカンと開けていたり、のどに落ちてきた鼻でゲロゲロと「まるで痰がからんだような」咳をしたりすることになってしまいます。

とは言っても、小さいお子さんの奥の粘った鼻を吸うのは簡単ではありませんよね。

まず大事なのは環境整備。
乾燥していると鼻も乾いてしまうので、しっかり湿度を保ちましょう。
「加湿器を●●%になるようにしています」はあまり信頼できません(いつもより高い数値になっていればそれなりに加湿はされているでしょうが)から、積極的に洗濯物を部屋干ししましょう。
部屋が乾燥していれば乾くまでの時間も短くなるので、そういう時は暖房を少し弱めることが大事です。(今どきの暖房は乾燥します)
特に寝室の乾燥は要注意です。

もう一つ大事なのが鼻の吸い方。
電池で動くポケットサイズの鼻吸器はほとんど役に立ちません。(取れるのは手前のサラッとした鼻水だけ)
それよりは、口で吸うタイプの鼻吸器の方が粘っこい鼻にもある程度対応可能です。
それでも奥のネバネバ鼻を取るのは難しいので、可能ならばしっかりした吸引器(医療機関でも使えるような)を使いたいところです。
昔はとても高額で(5-6万円はしました)手が出ませんでしたが、家庭での高齢者介護が当たり前になって、軽くて使いやすい比較的安価な商品が手に入るようになりました。
私がお勧めするのは、喘息の吸入器で昔からお付き合いのある東京エムアイ商会の「エレノア」です。
   エレノアのHP >>> https://www.nebneb.com/absorb/elenoa.html
ネット通販もありますが、医療機関経由での申し込みの方が幾分お安く手に入るので、興味のある方はお声がけください。


喘息発作での受診が増えてきました

2020-09-19 09:38:37 | 病気のはなし

季節の変わり目で天気は不安定、気温差は激しいという中、喘息発作を起こしての受診が増え始めました。

以前から喘息の診断を受けている人は手持ちの薬を服用して早め早めの治療で難を逃れていますが、これまで喘鳴(ゼーゼー)があったのに喘息の可能性を指摘されていなかった幼児が、顔色不良(蒼白)に肩呼吸・陥没呼吸(息を吸うと肋間が凹む)の状態で受診になっています。

これから連休で数日間は救急外来しか開いていない日が続きます。
喘息は昼間は元気でも夜中から明け方に症状が悪化する病気ですから、夜中に呼吸が苦しそうな状態を見たときは、朝まで待とうと思わずに救急外来に電話で相談をしてくださいね。