にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

麻疹流行が続いています、GW前にワクチン接種を!

2018-04-23 10:51:58 | 病気のはなし
麻疹の流行がとどまることを知りません。
大流行中の沖縄県ではMRワクチンの緊急接種も行われれいるようですが、その後も国内各地で発生が続いています。
患者さんの中心は30代で、ワクチンを接種していなかったり、1回だけだったりする年齢層です。
麻疹ワクチンは極めて効果の高いワクチンですが、自然流行しなくなった現在では10年程度で効果が減弱し始めると考えられています。
過去に麻疹に罹患したことがなく、ワクチンを1回しか受けていない人は、是非ワクチン接種を行ってください。
ただし、未就学のお子さんで1歳時にMRワクチンを接種している場合は、年長さんになったときに忘れず接種すればOKです。
また、罹患したかどうかやワクチンの回数が不明な人も、ワクチン接種で特段の不利益が起こることはないので安心して接種してください。

溶連菌感染症が増えています

2018-04-18 15:23:04 | 病気のはなし
このところ溶連菌感染症の患者さんが増えています。
発熱と咽頭痛(のどの痛み)が主要な症状ですが、腹痛や下痢などの腹部症状や発疹(粟粒くらいの赤い発疹)を伴うこともあります。
なかでも咽頭痛は「物を飲み込むのが辛い」ということが多く、喉を見ると口蓋垂(のどちんこ)から上口蓋(上あご)にかけてが真っ赤になり、舌がイチゴのように赤くなることが特徴です。
無治療でも数日で症状が改善し始めることが多いのですが、菌が活動することに対して体が免疫反応を起こし、後になって心臓や腎臓に合併症を発症することがあるので、きちんと診断して、抗菌剤の治療(10日前後)を行うことが大切です。
抗菌剤の効果は極めて高く、内服開始後24時間程度(遅くとも48時間以内)で症状が消え、同時に周囲への感染力も無くなるので、その後は抗菌剤を内服していても登園・登校が可能になります。
家族や周囲へも通常のカゼ同様に感染しますが、無症状の場合には合併症が起こることは極めてまれなので、発熱や咽頭痛などの症状がなければ普通生活で構いません。
インフルエンザは現在もまだ出没していますし、アデノウイルスやRSウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどの高熱を呈する感染症も散見されているようです。
体調が悪いと思ったら、まずは無理な登園・登校はせずに自宅で安静にし、症状の推移を見て受診を考えくださいね。

青森県の小児救急相談、土日祝日の電話受付時間を拡大

2018-04-17 19:45:02 | つれづれ
朝日新聞デジタルで配信されたニュースです。
以下転載します。
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子どもが急な病気にかかった時に看護師から助言が受けられる青森県の小児救急電話相談「#8000」について、夜間だけだった利用時間が4月から日曜祝日は24時間、土曜は午後1時~翌朝8時に拡大された。相談件数が増えていることを受けたもので、県は「相談時間の拡充で、病院の診療時間外をほぼカバーできる」としている。
県の電話相談は、受診できる小児科が少ない夜間の相談窓口として2006年に開設された。「#8000」の番号に電話をかけると、看護師が発熱や嘔吐(おうと)といった症状を聞き取り、救急病院での受診が必要かどうかや家庭での看護法をアドバイスする。
当初、土日祝日の夜間だけだった受付時間は、11年に平日も含む午後7時~翌朝午前8時に拡大。12年度に2977件だった相談数は周知が進むにつれて増え、16年度は5951件と倍増した。
一方、厚生労働省の調査では、16年の県内の10万人あたりの小児科医は10・3人と、全国平均の13・5人を大きく下回っている。県医療薬務課は「相談時間拡大を子育て世代の不安解消につなげたい」としている。
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小児人口も少ないけれど、それ以上に小児科医が少ない青森県。
救急指定病院の医師が疲弊してしまわないように、焦って受診やコンビニ受診を避け、まずは小児救急相談(#8000)で相談してみましょう。

でもそれ以上に大切なのは、我々小児科医が普段からきちんとした診察と説明を行い、「どんな時に救急受診が必要なのか」を伝える努力です。
診察室の中で診療終了ではなく、家庭での看護力を高めるためのお手伝いを心がけていきたいと思います。

目先の利益に走った付けが・・・

2018-04-12 11:15:06 | つれづれ
未だに収束(廃炉)の方向性も見えて来ない福島第一原子力発電所の事故の裁判についての報道です。
皆さんは、これをどう考えますか?
東京電力の社員の方々は自らの仕事に対して真面目に誇りをもって従事されていたのでしょうが、それを束ねる経営陣が利益優先・安全軽視では、やはり天災ではなく人災だったとしか言いようがありませんね。
その後の東京電力の姿からは事故への真摯な反省は見えず、他の電力会社も教訓を生かそうとしているようには思えず、相変わらず目先の利益を優先して原発再始動・老朽化炉の運転延長・新炉工事強行を実行しようと動いています。
それこそ「こんな人たち」に私たちの命を預けることなんてできないのではないでしょうか?

産経新聞「産経デジタル」より >>>記事はここをクリック
東電に「津波対策不可避」 試算担当者が証言 強制起訴公判
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東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された同社元会長、勝俣恒久被告(78)ら旧経営陣3被告の第6回公判が11日、東京地裁(永渕健一裁判長で開かれた。10日の公判に続いて出廷した津波の試算を担当した東電社員が、「津波対策は不可避」とする資料を平成20年9月の社内説明会向けに作成したと証言した。
社員は10日の証人尋問で、政府の地震予測「長期評価」に基づき津波対策を検討していたが、同年7月に元副社長、武藤栄被告(67)から対策を保留にする方針を伝えられたと説明していた。
11日の証言によると、社員はその後も「長期評価を否定するのは難しい」として対策を検討。9月の社内説明会用の資料で「対策は不可避」としたほか、横断的に津波対策を議論するワーキング会議を設置するよう21年夏から上司に進言するなどしていたという。
事故4日前の23年3月7日、社員が原子力保安院のヒアリング中、10メートル以上の津波が原発に到達するとの試算を伝えたところ「指導もあり得る」との発言を受けたため、同日中に武藤被告らにメールで報告。武藤被告から返信はないまま事故が起こり、社員は「ショックを受けた」と話した。

ファルサがむつにやってきます!!

2018-04-09 14:04:17 | お知らせ
2004年のどんぐり開業から数年間にわたって演奏会を開催してもらった「パーカッショングループFALSA(ファルサ)」が、国際ソロプチミストむつさんのチャリティーコンサートで来むつするそうです。
5月13日(日)にむつかさまい館にて14:00開演、料金は2,000円で全席自由席だそうです。
お問い合わせは、工藤さん(090-3122-4899)か大見さん(090-1938-5828)まで。
私は上京していて聴きに行くことが出来なくて、とっても残念です。T_T

沖縄で麻疹が流行しています!

2018-04-06 12:36:08 | 病気のはなし
3月下旬から沖縄県で、海外から観光で訪れていた30歳代の男性を発端とする麻疹が拡大してしています。
沖縄県地域保健課が5日に新たに男女3人の感染を確認したと発表、患者数は計21人になったそうです。
これを受けて、那覇市と石垣市では、6カ月~1歳未満の乳児への予防接種を県の補助も含めて全額公費で負担し無償化することを決めたそうです。
  >>> 詳しくは琉球新報のニュースを

今は年度変わりの時期で、学校なども春休み中ですから、人の移動も全国規模で行われています。
いつ下北の地でも麻疹の発生があるかもしれません。
麻疹ワクチンは風疹ワクチンと一緒にMRワクチンとして、1歳と年長さん(就学前年)の2回接種ですから、対象のお子さんで接種が済んでいない場合は、なるべく早く受けるようにしましょう。
また30代以上の大人はワクチン接種が1回のみの可能性が高いので(2008年に高校3年生だった年齢までの人は時限措置も含めて2回目接種)、ぜひとも2回目の接種を考えましょう。
0歳児は定期接種の対象になりませんが、もし周囲で麻疹が発生した場合は、6か月を超えれば自費接種が可能ですから(この場合は回数にカウントせず、1歳になったら通常の定期接種を受けられます)、かかりつけで相談するようにしてくださいね。